松岡茉優「重かったなと思います」 俳優人生の軸となった忘れられない“出会い”と“時期”
■「重かった」 松岡茉優が忘れられない“出会い”
映画は、窪田さん演じる空気の読めない正夫と花子の運命の出会いをきっかけに、夢を奪い返すため奮闘する姿が描かれます。映画ポスターにも書かれている「この出会い、一億ボルト。」にちなんで、こんな質問をしました。 ――松岡さんが“忘れられない出会い”はなんですか? 私は子役出身なんですけれど、子役時代に全くオーディションに受からなくて何本も何本も受けて。ようやく物語の軸になるような役をいただけるようになってきたのが、高校を卒業したぐらいから。その頃の作品というのはいまだに思い出してしまうし、私の軸になっていると思うし、“高校を卒業してから20歳ぐらいの間の出会い”っていうのは、重かったなと思います。 ――“重かった”というのは? まだ柔らかい価値観だからこそ、当時“嫌だな”と思ったことは今でも“嫌だな”って思い出してしまうし、当時教えてもらったことで「これだ!」って思ったことをどの作品においても変えられない自分がいたり。多感な時期に出会った人や作品というのは、曲がらない何かがあるように感じます。 ――失意のどん底に突き落とされた花子は、正夫との出会いをきっかけに反撃を決意しますが、松岡さんが悩んだり壁にぶつかった時には、どのように気持ちを切り替えて前に進んでいますか? 自分が失敗したこととか登れなかったなっていう壁ってしっかり落ち込まないと次も絶対登れないと思うので。ちゃんと落ち込むし、ちゃんと反省する。「ああ、これうまくいかなかったな」とか「なんでこんなことが起きちゃったのかな」って。「次々!」っていうんじゃなくて、一度確実に落ち込むというのは大切にしたいなと思います。 ――映画を通してどのようなメッセージを伝えたいですか? この作品は、“自分の夢”や“かなえたいこと”、“曲げられないもの”が出てくるんですけど。私は自分が演じているから、撮影中は気付かなかったんですが、(映画の)完成したものを見て、とても励まされたんです。どんなに理不尽な目にあっても“負けない“っていう思いがあれば、頑張れるのかもしれないって思えた。なので、ぜひ劇場に足を運んでいただいた方には“負けないぞ”っていう気持ちを持って帰ってもらえたらうれしいなと思います。