アメリカ人パパが娘に「作ってあげたい」 日本の料理教室に「学びに来ました」と言った料理とは
多くの訪日外国人が楽しんでいる日本の食べ物。日本滞在中に、さまざまなものを食べるだけでなく、料理教室で作ってみる人も少なくありません。そんな外国人観光客は、どんな日本の食べ物を作りたいと考えているのでしょうか。多数の外国人が訪れている料理教室「Kawaii Cooking」の代表・中澤芳さんに、詳しいお話を伺いました。 【写真】アメリカ人パパが日本の料理教室へ 娘のために習った料理 実際の写真 ◇ ◇ ◇
旅の思い出に料理教室で日本食作りが人気
中澤さんの教室では、さまざまなメニューを用意。ツアーでの参加のほか、個人で申し込むプライベートレッスンなど幅広く対応しています。外国人観光客は、どんな料理を選ぶのでしょうか。 「ツアーで参加する人には『ラーメンと餃子』が人気。小学生のお子さんがいるファミリー、カップルやハネムーンの夫婦など若い人は『キャラ弁』を選ぶ人が多いです。高校生くらいのお子さんがいる家族では、親御さんが料理の体験をさせたいと考えて参加されることも。そういうケースでは、から揚げや照り焼きといった日本の家庭料理が選ばれますね」 そのほか、中澤さんの教室ではムスリム仕様のメニューや、ベジタリアン向けの料理も用意しています。とくに団体内にベジタリアンの参加者がいるケースもあり、個別に食材を変更するなど柔軟に対応しているそうです。
レッスンは基本的に、試食タイムを含めて2時間。調理法をしっかり身につけるというよりも、旅の思い出として参加する人が多いといいます。 そうした背景から中澤さんは、「試食で、おいしく食べてもらいたいのもありますが、“料理を作れるようになる”より“楽しい時間にする”ことを重視しています」と語りました。
普段は料理をしない参加者が多数 失敗も想定しリカバリー
参加理由が旅の思い出ということもあり、実は「普段は料理をしていない」人が多いのだとか。食文化の違いと相まって、とんでもない失敗をする人がいそうな気がします。 「文化の違いは、あまり関係ないかもしれません。たとえば『海苔を横向きに置いて』と言っても縦長に置いてしまうとか、『3分の1にちぎって』と説明しても半分にちぎるとか。あと『スプーン1杯だけ入れてください』と言っているのに、全部入れちゃう人もいます(笑)。マイペースに進めてしまう人は、どこにでもいますから」 独自の感覚でアレンジしてしまい、失敗することがあるのは、確かに“あるある”のひとつ。中澤さん自身は、そうした失敗をリカバリーするのが「割と得意なほうだと思います」と話しつつ、材料は多めに用意しておくなどの準備もしているそうです。