近隣への迷惑行為で記念列車「中止」へ 事前の警告もむなしく 守られない撮影マナー
各地で頻発する撮り鉄の迷惑行為
茨城県の下館駅から栃木県の茂木駅にかけ鉄道を運行する真岡鐵道が2024年12月3日(火)、機関車への記念ヘッドマークの掲出を急きょ中止すると発表しました。「沿線にお住いの方に大変なご迷惑をおかけした」としています。 【写真】これが撮り鉄が熱狂した「記念ヘッドマーク」でした 本来は12月22日(日)まで、同社の観光列車「SLもおか」を牽引するディーゼル機関車「DE10 1535号」の就役20周年を記念して、前面に「北星」のヘッドマークを掲出して運行する予定でした。「北星」はかつて上野~盛岡間を結んだ急行や寝台特急です。 ところが予想をはるかに超える反響があったといい、写真撮影による交通渋滞や路上での無断駐車など、沿線住民への迷惑行為も発生したといいます。真岡鐵道は「本企画により、関係者のみなさまをはじめ、多大なるご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます」としています。 そのうえで「再発防止策の検討も含め、交通対策など沿線の安全確保は大変厳しいとの結論に至った」とし、今後のヘッドマーク掲出を中止するといいます。 鉄道の撮影を趣味とする、いわゆる「撮り鉄」の振る舞いは、各地で問題となっています。記憶に新しいところでは、JR横浜駅で罵声を上げる、福岡市の西新駅でホームドアから身を乗り出すなどの行為が発生しています。 真岡鐵道は今回の企画にあたり、撮影に際しては近隣へ迷惑とならないよう撮影マナーに関して事前に告知しており、「公共の道を塞いでしまったり、線路内に近づいたりなどトラブル等が多発するようですと、企画も中止となる恐れがあります」とも警告していました。
乗りものニュース編集部