Bloomberg

（ブルームバーグ）： 米アマゾン・ドット・コムが１日に示した７－９月（第３四半期）営業利益見通しはアナリスト予想を下回った。同社は人工知能（ＡＩ）サービス需要に対応するため投資を拡大している。米株式市場時間外取引でアマゾン株は下落した。

同社は７－９月期営業利益が115億－150億ドル（約１兆7200億－２兆2400億円）になると予想した。アナリストの予想平均は157億ドルだった。７－９月売上高見通しは1540億－1585億ドルとした。アナリストの予想平均は1584億ドル。

アンディ・ジャシー最高経営責任者（ＣＥＯ）はコスト削減を進めるとともに、主力の電子商取引事業の収益性向上に注力してきたが、同時に同社が「数十億ドル規模の売上高のランレートを持つビジネス」と位置づけるＡＩサービスに多額の投資を行っている。

ブライアン・オルサフスキー最高財務責任者（ＣＦＯ）は記者会見で、同社は今年上期にクラウド部門アマゾン・ウェブ・サービス（ＡＷＳ）のデータセンターなどの設備投資に305億ドルを投じたとした上で、下期には投資額を増やす予定だと発言。「生成ＡＩとそれ以外のＡＩのワークロードで強い需要が見られる」と述べた。

同ＣＦＯは売上高見通しについて、「消費者は安い品を探すなど慎重になっている」と指摘。また、オリンピックなどのイベントで７－９月期は購買パターンが変化しており、販売予測がより困難になっていると説明した。

ＡＷＳの４－６月（第２四半期）売上高は前年同期比19％増の263億ドルとアナリスト予想を上回り、２四半期連続で前期比でもプラスとなった。ただ低調な電子商取引事業が足を引っ張る形となった。販売事業者サービス事業と広告事業の売上高も市場予想を下回った。

４－６月期の売上高は前年同期比10％増の1480億ドル。アナリスト予想の平均は1488億ドルだった。営業利益は147億ドルと市場予想の平均（約136億ドル）を上回った。