『DOAXVV』新作恋愛ゲーム『ヴィーナス バケーション プリズム』インタビュー。6人の女の子たちとの“彼女感”と“密着”で魅せるビジュアル表現。すでに次回作も視野に
コーエーテクモゲームスより、2025年3月6日に発売予定の恋愛アドベンチャー『Venus Vacation PRISM - DEAD OR ALIVE Xtreme』(ヴィーナス バケーション プリズム - デッド オア アライブ エクストリーム -。以下、『VVP』)。対応ハードはプレイステーション5(PS5)、プレイステーション4(PS4)、PC(Steam、DMM GAMES)。 【記事の画像(17枚)を見る】 本作は現在もサービス中のバカンス&コミュニケーションゲーム『デッド オア アライブ エクストリーム ヴィーナス バケーション』(以下、『DOAXVV』)から派生した新作で、同作に登場する一部の女の子たち6人と恋愛をくり広げる、スピンオフタイトルです。 本記事では、ゲームシステムなどまだまだ気になる点も多い本作についてインタビュー。プロデューサーの作田泰紀氏に、開発経緯や今後の展開なども含めて、詳しくお聞きしました。 作田泰紀 氏(さくだ やすのり): 『DOA3』の開発からキャリアをスタートし、約20年にわたって『DOA』シリーズに携わる。『DOAXVV』では2021年6月までは本作のディレクターを務め、現在はプロデューサー。『VVP』でもプロデューサーを務める。(文中は作田) 尖った魅力を光らせるために ――まずは『Venus Vacation PRISM - DEAD OR ALIVE Xtreme -』を開発することになった経緯を教えてください。: 作田 : 『DOAXVV』はサービス開始当初、『DOAX3』までに登場した9人の女の子と、オリジナルの女の子である“みさき”の10人でスタートしました。その後、運営を続けていく中でアップデートを重ねていき、現在は31人の女の子が登場しています。 レイファンやティナといった『DOA』シリーズのキャラクターは特別なタイミングで追加してきましたが、それ以外はすべてオリジナルの女の子です。『DOA』に参戦したたまきや、他作品へのコラボ参加など、一部を除けば基本的には『DOAXVV』でしか会えない女の子たちばかりなんですよね。 どの女の子も『DOAXVV』のプレイヤーである、オーナーの皆さんからはすごく愛してもらっているのですが、『DOAXVV』を遊んでいない方々には、まだまだ女の子たちの魅力を知ってもらえていないと感じています。ですので、「ほかの方法で魅力を知ってもらう機会はないだろうか」とは、以前からずっと考えていました。 ――それが今回の、『VVP』につながっていくのですね。 作田: それがありつつも、 『DOAXVV』はもうすぐ7周年を迎えます。ということは、7年以上前のゲームエンジンで作られたゲームです。さらに言えば、『DOAXVV』は『DOAX3』をベースにしたゲームですし、『DOAX3』は『DOA5』をベースにしているので、10年以上前のエンジンがベースなんです。 完全に10年以上前の技術かというとそうではなく、女の子を美しく、かわいく魅せることに特化して研究を続けてきたので、いまでも通用するエンジンだとは自負しています。ただ、ほかのゲームと比較していくと、より魅力を感じてもらいたいですし、オーナーさんたちの声に応えきれていない部分もあるな、と感じています。 そのために『DOAXVV』のエンジンをさらに改良していく手もありますが、運営型タイトルがゆえに、運営しながらそれを目指しつつ、既存のリソースをサポートするのはかなり難しいです。たとえば、すべての水着をエンジンに合わせて作り直すような作業が必要になるでしょう。正直、現実的ではありません。 そういった考えをまとめていくうちに、別の作品として皆さんにお届けするのがいいのではないかと思い、本作の開発がスタートしました。また、『DOAXVV』は家庭用ハードでは展開していません。『DOAX3』は家庭用ハードでの展開でしたし、ガチャ要素のあるゲームを嫌う人がいるのも理解しているので、そういった方々にも新しい女の子たちと触れ合ってほしいなといった想いもありました。 ――“東京ゲームショウ2024”にてティザーを発表し、その後女の子などの情報を随時公開していきました。どのような反響が届いているのでしょうか。 作田: みさきのほかにどの女の子が登場するのかについて、毎週皆さんが予想されているのがいちばん大きな反響であったと思っています。各女の子に対するファンの皆さんの熱量を改めて感じることができましたし、登場する女の子のファンにとても喜んでいただけてうれしかったです。ただ、それと同時に登場しない女の子のファンの皆さんに対しては本当に申し訳なく思っておりました。 登場した女の子に関しても、最初に発表したフィオナは『DOAXVV』ではもともと恋愛に振っている女の子だったと、登場に関して一定の理解はいただいていました。一方、エリーゼに関しては予想されていなかった方が多かったようでとても驚かれている印象です。 ――企画・開発が始まったのはいつごろだったのでしょうか? 作田: 2023年11月に7年目の運営の方向性を考えながらも、同時進行で展開の仕方として検討していましたが、具体的な企画として「こういった形ならばできるかも」と思い決まったのが2024年1月でした。 ――2025年3月発売予定ということは、スタートから開発まで約1年ちょい、の開発期間となるわけですね。素人目で見ると、短めのようにも感じますが……。 作田: 企画が動き出してからすぐに開発に臨めたのもあって、開発の動きだしはかなりスムーズでした。 ――『DOAXVV』のチームとはまた異なると思いますが、『VVP』の開発チームはどのような体制なのでしょうか?: 作田 : 『DOAXVV』の運営・開発に関わってきたスタッフも一部含まれますが、多数が本作で新たに参加してきたメンバーで構成されたチームになります。今回新たにシナリオを書きおこしていますので、これまで『DOAXVV』でお届けしてきた女の子たちの魅力をいちばん知っているスタッフも必要でしたが、新しいエンジンを使用して開発することからまったく新しいノウハウが必要となるため、『DOAXVV』としては初めて関わるといえほかのタイトルでの経験が生かせると思います。 ――『DOAXVV』の現チームが、チームとして直接開発に関わるわけではないんですね。 作田: 先ほどもお伝えした通り一部のスタッフはいますが、基本的に新規メンバーのほうが多いです。あとは、家庭用ハードでも発売しますから、家庭用でのノウハウを持ったスタッフなども入った、 『VVP』専用のチームです。 ――では、タイトル名の『Venus Vacation PRISM - DEAD OR ALIVE Xtreme -』についてお聞かせください。タイトルに“プリズム”と名付けた理由はなんでしょうか? 作田: “プリズム”は、入ってきた光がたくさんの色に分岐して、拡散するイメージがありますよね。そこから、 『DOAXVV』で培ってきた魅力を“プリズム”に通すことで「こういった魅力も、こういう体験もあるよね」といったことが表せると思って名づけました。『DOAXVV』のすべての魅力ではないですが、1個1個の光るものを感じてもらいたいと言いますか。 また、本作は“イマーシブ恋愛アドベンチャーゲーム”と銘打っています。『DOAXVV』は、女の子との触れ合いはもちろんのこと、ビーチバレーやアクティビティーなど、多彩な魅力があります。その中でも、昨今はとくに“女の子たちとの彼女感”を感じてもらえるコンテンツが好評です。 そこをフィーチャーして、“プリズム”を通して尖らせようと考えたのも理由のひとつです。ほかにも、本作は6人の女の子が登場します。31人の女の子全員ではありませんが、6人の女の子で描かれるからこその物語を描いています。そのストーリーも含めて、“プリズム”がすごくしっくり来たのも名前の由来です。 ――本作は『DOAX』の名がサブタイトルのようになっていますが、これはどんな狙いがあったのでしょうか。 作田 : 『DOAX』シリーズは、シリーズの特徴として女の子たちとバカンスを楽しめること、水着の着せ替えを楽しめることなど、そういった部分が大きな魅力かと思います。のちにお答えするお話でもありますが、本作でフィーチャーしているのはそこではありません。もし『DOAX』の名が前に付くと、『DOAX』シリーズの魅力を期待されてしまうかもしれないと思い、後ろにすることにしました。 『VVP』は“『DOAXVV』の女の子たちとのイマーシブな恋愛アドベンチャー”をメインにしたタイトルです。『DOAXVV』の女の子たちが登場するということも含めて、『Venus Vacation』シリーズとしてお届けしようと思ったのが理由です。 次回作も見据えたビジュアル表現 ――本作の大きな特徴のひとつが、グラフィックがより美麗に進化している点です。先ほどのお話からも、既存のものではなく、ほぼイチから作り上げたと思われますが、どのようなビジュアルコンセプトなのでしょうか?: 作田: まず本作のゲーム部分の説明になりますが、本作は主観視点でゲームが進行します。 『DOAXVV』でもオーナーと向き合ったような視点で会話しますが、もっとグッと近づいたような距離で会話が進むのが特徴です。本当に女の子が目の前にいるかのような感覚を味わってもらうことを目指しています。 『VVP』が女の子を魅せていくうえで『DOAXVV』と明らかに違うのは、女の子との接する距離感がもっと近いことです。ですから本当に目の前に女の子がいても、かわいく見えることを強く意識してビジュアルコンセプトを立てています。 また、今回は“湿度”から来る色っぽさを強く意識しています。『DOAXVV』などにもあるような、肌の濡れ感の表現はもちろんありますが、それだけではない“湿度”も表現しています。たとえば、女の子ととても接近するシーンが多いのですが、その女の子の体温が感じられるような肌表現や演出などが実現出来ないかとチャレンジしています。そのほかにもわかりやすいところでは、『DOAXVV』ではエンジン上の都合で難しい、“雨”の表現もありますから、雨に打たれる女の子の魅力なども味わえます。 ――それは楽しみです! 女の子自体のビジュアルアップデートは、どのような方向性なのでしょうか。: 作田: 新しいグラフィックスエンジンを採用していますので、エンジン上でいちばん魅力的に見えるようにこだわって作っています。ただ、正直 『DOAXVV』は長年“女の子をかわいく魅せること”に注力して作り続けてきたために、印象としての違いがわかりにくいところがあるかもしれません。 といった懸念点はありつつも、近くで女の子たちを見てもらえれば、「こんなところまで近付いて見られるの!?」と驚いてもらえるはずです。 ――デザインやもととなるものはいくつかあるとは思いますが、基本は女の子たちもすべてイチから作り直しているわけですよね。 作田: そうなんです。そのうえで、かわいくならないといけないので、本当にたいへんです。あとは、今回技術的な話になりますが、本作は主観視点でのプレイ体験の没入感を高めるために、 『DOAXVV』よりもカメラの画角を広げています。それらでの見えかたでの差もかわいさに影響するので、いろいろと試しながら調整しているところです。 ――背景についても、作り直しているのでしょうか?: 作田: はい。 『DOAXVV』と比べると、クオリティー自体はアップしています。建物や植物、海の表現など、背景からも違いは大きく感じてもらえるかと思います。写真撮影する際には、『DOAXVV』よりも背景が映えると思いますよ。 ――実際、女の子を見てみると実像感がアップしていたり、クオリティー自体はとても高いかと思います。ただ、発表後のユーザーからの反応も分かれているところですが、「『DOAXVV』のほうがかわいい」といった声もあります。個人的にも、まだ魅力を把握しきれていない部分があるのかなと。 作田: まだ制作途中ですから、これからもっとブラッシュアップしていきます。立場的に言葉の表現が難しいのですが、正直自分たちで 『DOAXVV』を超えるのは、かなりたいへんだと実感しています(苦笑)。それぐらい、『DOAXVV』は女の子の3D表現に特化したゲームなんです。 10年以上前のエンジンでありながら、『DOA5』から『DOAX3』になる際にも、より女の子を魅力的にするためのエンジンパワーアップをしていました。さらに『DOAXVV』になる際にも、恥じらいの表現ですとか、肌のやわからさを改良したりしてますし、7年間の運営の中でもたびたびチューニングしてきており、代々受け継いできた磨き上げたエンジンなんです。 それを超えることを目標にしていながらも、自分たちで自分たちを超えることに、いまも苦戦している最中です。 ――グラフィックエンジンの改良、そしてシリーズ化を目指したタイトルといったところで、実験作と言いますか、シリーズ自体の今後を見据えたタイトルのようにも感じました。 作田: すでに「なぜこの女の子が出ないんだ」といった声は届いていますし、想定していました。そういった声に応えるためにも、ぜひ次回作という形でお届けしたいと思っています。 ただ、やはり新規タイトルですので、プレイヤーの皆さんにどう喜んでもらえるのかは未知数です。会社としても「シリーズ作品にすべきだよね」といった結果につながればいいと思っていますので、既存のオーナーさんでも「推しの子がいないから……」とは思わず、ぜひご購入して遊んでいただけるとありがたいです。 ――また、ジャンル名は“イマーシブ恋愛アドベンチャー”とのことですが、イマーシブはいわゆる“没入感”だと思います。どのような方法で没入感を高めているのでしょうか? 作田: まずは主観視点にこだわっていて、プレイヤーの目で見ているようなシチュエーションやシーンになるよう、できる限り構築しています。女の子はフルボイスで、目の前でしっかりと喋っているように感じてもらえるでしょうし、会話でも女の子がグイっと近づいてきたりと、距離感がシーンによって変わるのも特徴です。 一般的な恋愛アドベンチャーゲームは2Dイラストで表現されていることが多いですが、そこを本作は3Dで背景から女の子も表現して、プレイヤーに求められているようなシチュエーションを体験しながら、女の子との恋愛を楽しめます。 ただ、『DOAXVV』も3Dで表現していますし、一部のムービーなどでは主観視点でエピソードが進んでいきますよね。本作ではそれよりも、もう1歩違う表現をしたいので、会話シーンでもつねに主観視点だったり、女の子との距離感が変わったり、女の子がアクティブに動くような要素なども取り入れています。 ちなみに会話シーンはスティック入力に対応していて、自分の見たいカメラの方向、つまり視点を動かすことができます。 ――全体的にUI(ユーザーインターフェース)もかなり抑え気味で、ゲーム感が出ないように没入感を高めているようにも感じました。 作田: そこはすごく意識して、ゲームらしい表示をグッと抑えています。体験として 『DOAX3』のVRモードや、『DOAXVV』でMRの研究開発も経験しました。そこで思ったのは、特定のデバイスが必要な体験は実際にお届けするのは障壁が高すぎる、ということです。特定のデバイスを用意せず、ふつうのモニターだけで、横にいる女の子や、近くに迫る女の子とのドキドキ感を味わってほしいと思いました。モニター越しでも、気軽にそういった体感をしてもらえるんじゃないかと信じて本作を制作しています。 6人の女の子が選ばれた理由 ――登場する女の子はみさき、フィオナ、エリーゼ、たまき、ななみ、ほのかの6名です。なぜこの6名に絞ったのでしょうか?: 作田: まず“みさき”ですが、 『DOAXVV』のゲーム開始当初から、オーナーにいちばん近い位置からサポートしてくれる存在です。『DOAXVV』の代表的な女の子でもありますから、スタートとして“みさき”の登場は決まっていました。 みさき そこから考えていき、『DOAXVV』の初イベントである“はじめてのパジャマパーティー”で、“みさき”とコミュニケーションを取ったのが“ほのか”でした。ふたりは同い年ということもあり、仲よく会話していたシーンもあったので、あの体験に近いものを味わってほしくて、“ほのか”を選びました。 ほのか “たまき”は、『DOAXVV』で初登場したとき、オーナーの皆さんには「なんだこのセクシーで魅力的な女性は!?」とすごく驚いていただいて、ドキッとさせながらもゲーム全体が盛り上がりました。実際サービス開始からの運営を通して初めて感じた大きな盛り上がりだったので、できれば本作でもあのドキッと感をもう1度、または初めて遊ぶ人に体験してほしくて決めました。 そして、本作はイマーシブ恋愛アドベンチャーゲームです。イマーシブはついていますが恋愛感を楽しみたいからこそ“自分のことをすごく好きと言ってくれる”女の子がいたほうが喜んでいただけるのではないかと思い、フィオナを選びました。 たまき フィオナ ――では、エリーゼとななみはどのような狙いで?: 作田: 恋愛アドベンチャーゲームとはいえ、ただ女の子と仲よくするだけでは物語に味気がなく、盛り上がるポイントも作りにくいです。オーナーを指導するために、オーナーを試すような立場で入ってきた“エリーゼ”は 『DOAXVV』でもアクセントになりました。エリーゼの存在が物語の核といいますか、メインストーリーの描きかたに関わっています。 エリーゼ また、“ななみ”は、『DOAXVV』で新ヴィーナスとしてお届けしたことで、それ以降の女の子を企画していくうえでの考えかたが変わるくらいの象徴的な女の子でした。それまではある程度わかりやすく“こういった魅力を持つ女の子です”とお届けしていくことがメインでしたが、さらにそこに“彼女感”があることで、喜ばれた女の子でした。 ななみ 要は、その女の子と恋愛をしている感じをより強く求められているんだなと感じたのが“ななみ”だったので、恋愛アドベンチャーゲームとしていちばんわかりやすいだろうと思い、“ななみ”を選びました。 ――登場する女の子を6人に絞った理由はありますか? 作田: 女の子との恋愛をしっかり描くうえで、どれくらいの数の女の子を登場させられるのか考えていたのですが、たくさんの女の子がいると、ひとりひとりの女の子で描ける内容が、どうしても薄くなってしまいます。 また、ゲーム的に「どの女の子と仲よくなっていくのか」といった選択が重要になるのですが、その選択の体験をしていただく中で、あまりにも数が多いと選びきれないですし、前提の物語として女の子自体の登場機会も設けなくてはなりません。 あまり多くの女の子は登場させられないなと当初から思いつつ、ですが『DOAXVV』の女の子たちの魅力は知ってもらいたい。どこまでできるのか探り探りで考えた結果、6人に絞られました。 ――もし次回作があれば、また別の女の子たちが登場しそうですね。ただ、ナビゲーターでありサポーターのみさきが居ないとなると、困りそうです(笑)。 作田: (苦笑)。続投の可能性はあり得るとは思います。ちゃんとお伝えしたいところとしては、決して 『DOAXVV』とはまったく異なる物語を描きたいわけではないんです。『DOAXVV』はいま初めても、すべての女の子と出会えます。ただ、初登場したタイミングや流れみたいなものは、もう体験できないですよね。 『VVP』でそのときの感覚に近いものを味わってもらいたいといった狙いが裏テーマにあります。そのとき“みさきのいないヴィーナス諸島”はどうも考えられないので、難しいなと思っています。と言いつつ、まったく違う展開や物語になるかもしれないので、断言はできませんが。 ――ということは、ダウンロードコンテンツで女の子が追加されることはないんですね。: 作田: 本作は複数人の女の子がいる状況で、オーナーとしてどう立ち振る舞うのか、どの女の子と仲よくなるのかが体験のメインです。そこにただ女の子を追加しても物語の展開が合わないんです。すべての女の子が存在する前提の物語ですから、もし新しい女の子をお届けするとなったら続編という形になるかと思っています。 着せ替えよりも、シチュエーションを ――ではゲーム内容についてお聞かせください。本作は“恋愛アドベンチャー”といったところで、ビーチバレーなどの要素はないのでしょうか? シーンとテキストベースで進む、アドベンチャーになるのでしょうか。: 作田: ビーチバレーはなく、女の子たちとのエピソードがメインのゲームになっています。いわゆるホーム画面もなければ、ビーチバレーのために女の子たちを育成するような要素もありません。大筋のメインストーリーがひとつあって、その中で登場する女の子と恋愛を展開していきます。 その展開に合わせて、オーナーとしてどのように行動するのか、選択肢を選んでいきます。そして選択肢の結果によって女の子の好感度や物語の展開が変わっていく、シンプルなアドベンチャーです。 ――どのようなサイクルで進んでいくのでしょうか? 作田: 詳細は続報をお待ちいただければと思いますが、基本的には女の子たちとのエピソードがあって、それを読み進めていきながら女の子たちと仲よくなっていったり、ときには“撮影エピソード”として、写真撮影がメインとなるエピソードもあったりします。 その撮影した写真を、とあるゲーム内要素と絡めつつ女の子たちの魅力を高めていき、さらにエピソードが進んでいくようなイメージです。最終的には、女の子との関係が進むようなゴールにたどり着きます。 ――では撮影要素に応じて、特定の女の子のルートに入っていくような?: 作田: 撮影で好感度的なものが変化しながら、それでいて選択肢によっても分岐するような感じです。 ――お聞きした感じですと、『DOAX3』のように日付があって、1日になにかをするというよりは、物語ベースで進んでいきそうですね。 作田: はい、基本はエピソードベースですから、物語の中でゲーム内の時間が進行する形ですね。 『DOAX3』のような日付管理的なものはありません。 ――各女の子との物語は、どれくらいのボリュームなのでしょうか? 作田: いまも絶賛開発中なので、総尺やセリフ数などでお答えするのは難しいところです。一般的な恋愛アドベンチャーゲームクラスのボリュームがあることは期待もされているでしょうが、本作は“イマーシブ恋愛アドベンチャー”であり主観視点ベースの本作だけの特別な体験ができますから、単純な比較は難しいですね。 なお、撮影エピソードだけでなく、選択肢が出ているときの選択待ちの女の子の撮影や、通常の会話シーンの撮影も可能なので、撮影で楽しめる要素が多いです。撮影自体をやり込むぶんには、何周も楽しめるかと思います。 あとは、まだまだ公開していないリプレイ要素もありますので、ボリュームについては“少ない”とは思われない内容になっているかと思います。 ――そして物語の最後には、エンディングもあるんですよね。 作田: 恋愛アドベンチャーゲームらしく、攻略していけば各女の子とのエンディングが見れる形です。 ――バッドエンディングはありますか? 作田: 明確なバッドエンディングは入れない予定です。まだ調整中なので、どの程度のバッドエンドなのかは確約できませんが、少なくとも誰とも結ばれないみたいなことはないのかなと。 ――そもそも物語的に、結果が悪いとオーナーとして追放されてしまうそうなので、追放されるエンドもあるのかと思いました。 作田: 一時期考えていましたが、さすがに悲しすぎるのでないと思います。 ――もし女の子とのエンディングに到達した場合、物語やゲーム的には最初の1日目に戻るようなイメージでしょうか。 作田: はい、いわゆる周回プレイの形になります。ただ、できるだけ周回しやすく快適に遊べるよう、今後もブラッシュアップしていきます。 ――なるほど。『DOAX』シリーズは、一種の着せ替えゲームの側面があると思いますが、水着の変更は限定版の特典などを見てもあるんですよね? 作田: あると言えば、あります。ただ、皆さんの思うよりは数が少ないと思っていただきたいです。 『DOAXVV』は約7年間、もっと言えば『DOAX3』の水着も含めて、大量の水着とポーズ・小道具などがあります。その中で撮影も楽しめるゲームですから、『DOAXVV』は撮影要素に特化したタイトルとも言えます。 『DOAXVV』を運営しながらも、『VVP』も楽しんでいただきたいと考えたときに、本作はそこをフィーチャーしてもあまり意味がないなと。どうせならば、『VVP』だからこそ楽しめる要素を味わってもらうことを意識しました。 たとえば水着を着てもらって、ポーズをとらせて、それから撮影を楽しむ。みたいな『DOAXVV』の遊びかたではなく、会話シーンやデートしているシチュエーションに合わせて、その瞬間を切り取るような撮影が楽しめるのが『VVP』です。そのために、たくさんのシーンを用意しています。 1周目の段階では決められたコーデのみですが、達成していけば好きなコーデに着替えてもらったり、または条件に合わせてコーデが解放されていきます。 ――水着のデザインについては、オリジナルのものもあれば、『DOAXVV』に登場した水着から選定したりしているのでしょうか。: 作田: 本作のコーデは、すべて新作になっています。多くのシチュエーションを用意する中で、できる限り“彼女感”を出すとしたら、いわゆる“水着”そのものを着てもらうのではなく、もっと普段着っぽいものもあったほうがいいだろうと考えました。 着せ替え要素は少ないとは言いましたが、本作ならではのコーデで楽しめるようになっています。もしそこから「もっと着せ替えを楽しみたい」と思っていただけたら、『DOAXVV』を遊んでもらえたらいいなと思います。 なお、特典の“旗袍”は『DOAXVV』を踏襲しているように見えて、こちらも新たに製作しています。シチュエーションにそぐわないようなことにはならないよう、細かな調整も加えています。 難しいトゥルーカラーとの差別化 ――物語の中では、主人公であるオーナー、つまりプレイヤーが女の子と接していくと思います。難しいお話ですが、『DOAXVV』のオーナーと同一人物視して遊んでも問題ないのでしょうか。もしかしたら、別の立場のオーナーがいるのかも、と。: 作田: 皆さんのイメージとズレているかもしれませんが、私としてはいままでの 『DOAXVV』を通して、オーナーとはどんな存在なのか描いてきたものを、そのまま『VVP』でもなぞっています。「こういう物語の展開もあったんだな」と同一のオーナーとして、体験できるものになっているはずです。 ただ、ストーリーを制作しているスタッフたちからは「すごく作りにくい!」と怒られています(笑)。『DOAXVV』で体験したことをなかったことにしたくないですし、すべてを別のものにもしたくありません。『DOAXVV』で描いた物語の中で、描いていないシーンを語ったり、すでにあるシーンをよりボリュームアップしたりもしています。 そのときと着ているコーデが違うなど、どうしても体験として微妙に変わってしまう部分もあるかと思いますが、それは本作ならではの楽しさとして新しい体験を楽しんでもらいたいです。 ――ただ、もしかしたら「はじめまして」的なシーンもあるのでしょうか? 作田: そこも議論は重ねていたのですが、そういった初対面的なシーンはやはり存在します。 『DOAXVV』のオーナーさんたちにとっては「ん?」と思われるかもしれませんが、当初の目的から『DOAXVV』の女の子たちの魅力を知ってもらうことを目標にしていますし、最初から知り合いのような状態から始まってしまうのは、ゲーム的にも違和感があるのかなと。 ――では既存のオーナーさんたちは「こういった時期もあったよね」的な感じで、思い出を追体験するイメージで遊ぶといいかもしれませんね。 作田: それもいいでしょうし、シーンとして描いていないことがたくさん盛り込まれています。一度見たエピソードを再度体験するような感覚にはまったくならないので、新鮮な気持ちでも楽しんでもらえるかと思います。 ――そして物語は、“ヴィーナスフェス事務局からオーナーが課題を出され……”といったあらすじなんですよね。エリーゼがいるのだからそうなんでしょうけれども、“事務局”があったんだなと。 作田: エリーゼはオーナーの指導役として派遣されているので、派遣元があるわけですよね。それはおそらく事務局だろうと、もとから考えていた要素ではあります。ヴィーナス諸島は“諸島”ですから、ひとつの島ではありません。 きっとヴィーナスフェスをいろいろな島で開催する中で、それぞれの島のオーナーたちが運営をしているんだと思います。それらを管理する事務局がきっとあるだろうと。 もっと言うと、フィオナはキラキラとした女神たちの見つめる先にいる、オーナーさんに憧れてヴィーナス諸島に訪れました。ということは、ヴィーナスフェスは何かしらの方法で、外の世界に放送されているんだろうなと。そういった部分も掘り下げながら、今回の物語を作っています。 ――ビーチバレーはないそうですが、どういった形でヴィーナスフェスを描いているのでしょうか? 作田: イマーシブがつくとはいえ、あくまで恋愛アドベンチャーゲームですから、女の子たちが活躍できそうな環境や関係を築いていく、その過程を描いているものだと思ってもらえればと思います。 エピソードの中でミニゲームが登場することもありますが、ゲーム的に競い合うのではなく、女の子たちとイチャイチャするために用意されたものです。そのあたりも、続報をお待ちください。 ――期待しています! ここ数年の『DOAXVV』では“トゥルーカラーエピソード”といった、女の子たちとグッと関係が深くなるアップデートがおこなわれています。“みさき”や“フィオナ”といった、アップデート済みの女の子もいれば、まだ対応していない女の子もいますよね。『VVP』とトゥルーカラーエピソードは、どう住み分け、差別化していくのでしょうか。 作田: もちろん、両方存在できる形を目指しています。“トゥルーカラーエピソード”は、その女の子の水着がテーマにあり、そこから物語が発展していき、どのように恋愛感情を抱いてアプローチしていくのか、といったストーリーを描いています。 『VVP』で描く内容は、ひとつの大きな流れの中で、女の子たちと仲よくなりながら関係を深めていく物語です。それぞれの女の子で描く濃度や内容に違いはありますが、女の子たちの魅力は必ず表現するよう、両方のよさを描いていければいいなと思います。 明らかに違うのは、大筋の物語から派生して描く女の子との物語が『VVP』であり、女の子のためだけに考えて作っているストーリーが“トゥルーカラーエピソード”である点ですね。と言いつつも、正直どちらもかなりたいへんです(苦笑)。 ――女の子によっては関係性の距離が、『VVP』のほうで先に近付く場合もあるわけですね? 作田: そこはあると思います。ですが 『DOAXVV』で“トゥルーカラーアップデート”を実施する際には、しっかりと楽しんでいただける特別なものにしますので、本作のせいで要素が薄くなってしまったりするのは絶対にやりたくないですね。 女の子の表現はいまも磨き中 ――Digital Deluxe Editionには、イラストレーターのよむ先生とのコラボコーデなどが封入されています。このコーデは、『DOAXVV』でのよむ先生コラボ水着とはまた違ったものなんですよね?: 作田: はい。今回のために、よむ先生に新たなコーデをデザインしていただきました。ただ完全に新しいものを作るというより、よむ先生のよさが出るものであったり、ファンが期待するものがいいだろうということで、タイツやオフィスウェアの要素は踏襲しています。 また、『DOAXVV』ではエンジンの都合でどうしても実現できなかった、足回りの表現をより注力して作っていきますので、ぜひご期待ください。ストーリー上で、よむ先生のイラストに描かれているような物語のシチュエーションも用意しています。 ――ちなみにDigital Deluxe Editionには撮影機能の“時間停止ウオッチ”を、早期解放できる特典もあります。『DOAXVV』にあった撮影機能も一部使えるんでしょうか? 作田: 撮影機能はそこまで多くありません。“時間停止ウオッチ”は、本作ならではの“シチュエーションと会話の一瞬を撮影する”要素を、最大限に楽しむには必要だろうと思い踏襲しました。シチュエーションを自分で作りだせるようなアイテムについては 『DOAXVV』で楽しめますから。 いまのところは考えていませんが、もしそういった撮影拡張機能を本作に導入するのであれば、『VVP』だからこそ楽しめる撮影機能になるでしょう。または、ゲームエンジンの都合で実現できなかった撮影機能ですとか。 コーデとシチュエーションの組み合わせが楽しいところで、「あれ、もしかしてこのシーン、あのコーデを着せて、そして時間を止めたらこんなシーンに……?」と、プレイヤーの想像力が試される場合もあると思うので、ぜひ活用してみてください。 ――『DOAX3S』であったように、『DOAXVV』との連動特典もあるんですよね? 作田: はい、いずれかのエディションを購入していただければ、みさき専用のSSR水着“リゾートキャミソール・水色”が、 『DOAXVV』でゲットできます。ちなみにシリアルコードは、『VVP』のゲーム内メニューで手に入るようになっています。 ――『DOAXVV』側で、連動イベントなどは予定していますか? 作田: 検討中です。いずれも盛り上げていきたい気持ちはありますが、 『DOAXVV』もスケジュールがずっと詰まりきりでして(苦笑)。ただ、『VVP』で体験できることを『DOAXVV』でやっても意味がないですし、大きなコンテンツを用意することはないと思います。あくまで、告知や案内に近いイベントになるのかなと。 ――『VVP』は海外展開も予定しているのでしょうか? 作田 : 『DOAXVV』の国際版を展開している地域向けに、複数言語に対応した形で展開します。『DOAXVV』の国際版は発表している通り500万ダウンロードを突破していますし、高い人気があります。海外でも楽しんでくださっている方々にも『VVP』をぜひ遊んでほしいと思い、海外版も用意しました。とはいえ特別に海外ヒットを狙った要素などは盛り込んでいなくて、我々の考える『VVP』をそのままの形でお届けしていきます。 ――発売日は2025年3月6日とのことですが、残すところあと4ヵ月ですね。開発進捗はどれくらいなのでしょうか? 作田: 急ピッチではありますが、作るべきものや要素がハッキリとしているぶん、とても順調に進んでいます。あとはとにかく磨き上げる作業で「もっとかわいくできる」、「こうしたほうがもっとドキッとさせられる」と、女の子たちの表現をいまも作り込んでいます。進捗としては、大体60%くらいの進行度かと思います。 ――また、『DOAXVV』7周年公開生放送では、同時に『VVP』のクローズド試遊会も実施されます。どういった狙いで実施することにしたのでしょうか? 作田: 本作は恋愛アドベンチャーゲームではありますが、ジャンルに“イマーシブ”とあまり聞きなれない言葉が付いていることもあり、やはり実際にプレイしてみないとわからない部分があるだろうと思いました。ですので、何かしらで触れる機会はできる限り用意したいと思い、せっかくだからリアルイベントで触れてもらおうと考えました。 公開生放送は抽選応募ではありますが、そのぶん『DOAXVV』を深く愛してくださっている方々が応募してくださっていると思っています。愛している皆さんだからこそわかる魅力を、ほかのオーナーさんたちに広めてくださることを期待しています。 ――ほかの場での試遊会ですとか、または体験版の配信など、実際に触れられる機会は考えていますか? 作田: やはりプレイしないとわからない部分が多くあると思うので、発売日近辺で触れてもらえる機会が必要なのではないかと思っています。ですので、何かしらの方法で発売前に遊んでいただける方法を検討しています。 ――『DOAXVV』のファンはもちろんのこと、新規層も狙ったタイトルだと思いますが、どういった層のプレイヤーたちに遊んでもらいたいと考えているのでしょうか。 作田: まず 『VVP』は、『DOAXVV』のオーナーさんたちが約7年も支えてくださったからこそ、制作できたタイトルです。オーナーの皆さんたちが楽しめるものには、絶対にしたいです。 また、『DOAXVV』はちょっとだけ遊んでいたけどいまは引退してしまったという方々が、「いまはこんな女の子もいるんだ」と驚かれる様子をたびたび見かけます。そういった方々が本作を通して、女の子たちがどんな魅力を持っているのか、より深く知っていただける機会になればいいなと考えています。 そして『DOAXVV』はガチャの要素があるゲームであることや、それなりのスペックを持ったPCで遊ぶのがメインのゲームであることなど、何かしらの理由で遊んでいない方々にも、ぜひ遊んでいただきたいです。 あとはシンプルに、日常の疲れを癒したかったり、女の子たちから潤いが欲しいといった方々には、ひとつの恋愛アドベンチャーゲームとして、ぜひ手に取ってもらいたいですね。