ロイヤルHD社長「コロナ禍でも料理やサービスの質を磨いてきた」「海外事業を5本目の柱に」
ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」を展開するロイヤルホールディングス（HD）が、空港内などの飲食店運営を受託する事業で存在感を高めている。主力ブランドを表に出さない店舗もあり、コロナ禍で落ち込んだ外食産業を支えながらグループの業績も回復軌道に乗せた。創業地の福岡から世界を視野にさらなる成長を目指す。 【イラスト】ロイヤルHDの主な事業
ロイヤルHDの阿部正孝社長に、今後の経営戦略などを聞いた。
――コロナ禍で落ち込んだ事業の回復が進み、2024年12月期は過去最高の業績を見込んでいる。 「コロナ禍で（20年12月期と21年12月期は）2期連続の赤字となったが、（消費者に）外食の楽しさや特別感を提供するため、料理やサービスの質を改めて磨いてきた。すばらしい素材がある日本の食の価値を伝えるキャンペーンも進めたことで、顧客から共感を得られていると考えている」
――「ロイヤルホスト」では9月に原材料費や人件費の上昇で値上げした。 「（経営効率化の）努力はしているが、料理に見合った対価を得るためには値上げせざるを得なかった。価格に負けない店づくりを行うため、料理の質だけでなく店内の改装などで空間全体の価値を上げていく」
――コントラクト事業の業績が伸びた理由は。 「料理とサービスの質の高さが受け入れられている点だ。（運営を受託している）店舗の改装を積極的に進めたほか、コロナ禍で閉店した店舗跡への出店を打診される件数も増えた。結果として信頼度が上がり、さらなる受託の増加につながった。グループに多様な飲食事業があるため、あらゆる食の種類に対応できる点も大きい」
――今後、グループをどう成長させるか。 「ロイヤルホストはしっかりと店舗を維持、更新しながら守っていく。ホテル事業も、食を手がける企業としての価値を打ち出していく」
――双日と連携して進める海外事業の先行きは。 「我々単独では国際的に競争するだけの環境が整っていなかったが、海外拠点が豊富な双日のノウハウを活用して5本目の事業の柱にしたい。ロイヤルホストの直営店の拡大や、（すでに海外に店舗がある）『天丼てんや』以外のブランドでの出店を検討している」
