NYの1DKの平均家賃約60万円!物価高騰に苦しむニューヨークZ世代の節約法とは?
Cartoonがパーソナリティを務めるinterfmで放送中のラジオ番組「sensor」(毎週金曜19:00-22:00放送)。番組コーナー「NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、Z世代・ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。 今回のテーマは、「値上げに苦しむニューヨークZ世代の節約法」。「NY Future Lab」のメンバーが、インフレの影響を受けて変化したライフスタイルについて語り合いました。
◆インフレ鈍化にアメリカ国民は実感がない?
コロナ禍で停滞していた経済活動が再開したアメリカは、急激な需要の高まりによりインフレが加速しました。 インフレに対応するため、2022年8月には「インフレ削減法」が成立。大幅な利上げも実施されるなか、11月1日、アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)はインフレが落ち着く傾向などを要因に、政策金利を据え置くことを決定したと発表しています。 数字ではインフレ率が落ち着いたように見えますが、アメリカ国民の暮らしは苦しくなる一方です。物の値段や家賃が上がり続けるなか、巷では「$100 bill is news $20 bill(今の100ドルは、ついこの間までの20ドル)」と言われ始めています。 日本円で言うと1万円札の価値が2,000円ほどになってしまっている現状を、アメリカのZ世代であるラボメンバーはどう感じているのでしょうか? ミクア:まさにその通り。今は100ドルを持っていても、あっという間に使い果たしてしまうよね。2つくらいの物を買うだけで100ドルがなくなってしまう。20ドルなんて、かつての5ドルくらいの価値しかない感じ。100ドル使うのは本当に簡単になってしまった。 ケンジュ:家賃の高騰がクレイジーだと思う。信じられないよ。最低賃金で働いていたら、この街で生き延びるのは無理だと思うよ。アパートを探していたとき、1ベッドルーム(1DK)のアパートの平均家賃は2,500ドルくらい(日本円で約38万円)だったんだ。最低賃金で働いている場合、家賃を払ったら何も残らないことになる。食事もできず、どこにも行けず、仕事のあとは家にこもるしかない。そんなことが正しいとはとても思えないよ。 ミクア:これはまずいと思ったのは、電車のなかでお菓子を売っている移民の人たちが値上げをしたとき。ずっと1個1ドルだったのが、今では2ドル、3ドル、5ドルという値段になっている。これは状況悪化の兆候だと感じた。 ノエ:デリでスニッカーズのチョコレートバーを買うと、5ドルくらいすることがあるよ。 ケンジュ:デリのサンドイッチの値段もばかげている。ベーコン、卵、チーズのサンドイッチが8ドル(約1,200円)だよ。僕は3ドル(約450円)が妥当だと思う。現実的には今のインフレを考えると4ドルくらいでもいいかもしれないけど、8ドルはありえない。 シャンシャン:このあいだ映画館に行ったら、水のボトルが1本7ドル(約1,000円)だったよ。これはインフレの影響なのか、それとも映画館がインフレに便乗して値段を釣り上げているのか。もう、よくわからない。 メアリー:両方だと思うよ。 ケンジュ:外食は今や贅沢なものになったよね。デリや小さなタコスのお店でちょっと食べるだけでも、贅沢だと感じるようになったよ。 アメリカの最低時給は7ドル25セント(約1,000円)、ニューヨークは15ドル(約2,250円)と、決して安くありません。しかし、住居費の高騰により、ニューヨークの1DKの平均家賃はなんと4,000ドル(約60万円)であり、最低賃金では生活が成り立たない状況下にあります。 全米でも住居費は高騰しており、最低賃金で働いている限り、家族が住む家を借りることは、アメリカのどこに行っても不可能と言われています。 モデレーターでZ世代評論家のシェリーは「アメリカはインフレがすごいけど賃金が高いから大丈夫なんてよく言われますけど、大嘘です。なぜなら、最低賃金で生活ができないんですよ。こんなに働いているのにと、みんな嫌になってしまいますよね」と、現状を訴えました。