新紙幣発行で対応追われる…券売機業者大忙し 小規模店舗は経営圧迫
TVOテレビ大阪
大阪をはじめ日本中が盛り上がった20年ぶりの新紙幣の発行。ただ、新紙幣がもたらしているのは喜びの声ばかりではないようです。 「号外です」「早く手に入れたいな」 3日、街の人から歓迎する声が聞かれた新紙幣の発行ですが、流通が始まった一方で頭を悩ませている人たちも。 開店前のラーメン店にやってきたのは券売機販売大手「エルコム」の吉田さん。5日は店頭に設置されている券売機を新紙幣に対応できるようにするため、内部の部品交換に訪れました。1件目の店での作業を終え、急いで次の店に向かいます。店に入るや否や作業に取りかかる吉田さん。「エルコム」では新紙幣発行の2年前から機械の切り替え準備をしてきましたが、想定以上に作業依頼が殺到しているといいます。 【エルコム吉田さん】「(きょうだけで)新紙幣対応は4件まわらせてもらう」「(機械の切り替えの対応は)年内には間に合わないところも出てくる」 ただ頭を抱えているのは業者だけではありません。こちらの店の場合、切り替え費用にはおよそ30万円かかりますが、新紙幣がどの程度流通するか見通しがつかないため、機械の切り替えに踏み切りました。 【スエタク店主】「これ(新紙幣発行)で犯罪被害が減るのはいいと思うが余計な出費ではある」 現在、金融機関のATMは9割以上が新紙幣に対応できるものの、自動販売機は2~3割程度しか新紙幣への対応が進んでいないといいます。 【酒店店長】「新紙幣特需っていうけどそりゃ受けるほうは特需やけどうちらずっとお金出てるんですよ」 大阪・梅田にある創業70年の酒店。店頭にある自動販売機4台の新紙幣への対応には60万円ほどかかります。これは自販機4台のおよそ一年分の利益にあたるため、対応を断念しました。 【店長】「正直すっごいしんどいです。コロナ禍からずっとお金を吐き続けている状態なんで」 この店の自販機で新紙幣を使う際には店頭で旧紙幣に両替するということです。新紙幣をめぐる動きはまだまだ続きそうです。
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