荒れ狂うボストンテリアのトレーニング 心から信じたことで今は「自慢の息子」に
お父さんの変化
これからの生活について店長からアドバイスをもらう間、お父さんが秋太郎くんを抱っこすることに。しかし、お泊まり前は攻撃的だった秋太郎くんに、お父さんはつい「僕が抱っこすると怒るんですよね」とつぶやいた。すると店長のゲキが飛ぶ。 「もっと秋太郎くんを信じて。信頼されるかっこいいお父さんになってください!」 お父さんはこう振り返る。 「実はお泊まりが決まり秋太郎を置いて帰るとき、『1週間も離れたら僕らのことなんて忘れちゃうんじゃないですかね』と口にしてしまったのです。それを聞いた店長から『忘れるはずがない。犬、なめないでください。僕らにどんなに懐こうと一番好きなのは飼い主さん。もっと秋太郎くんのことを信じてあげて』と言われ……。店長は常に犬目線、秋太郎目線。歯に着せぬストレートな言葉にハッとさせられました。もっと秋太郎を信じよう――。そう心が決まりました」
自慢の息子
家に帰って来た秋太郎くんは、2、3日は疲れ果てまったり。そして、ほとんどかまなくなっていた。「別犬?と思うほど激変していました」とお母さんからは思わず笑顔がこぼれる。 とはいえ「体力おばけ」の名をほしいままにした秋太郎くん。日々のお散歩だけでなく、ドッグランなどにも積極的に連れて行った。しかし、「遊ぼう!」の圧が強いため、特に小さい犬の飼い主は慌てて抱きかかえて次々と帰ってしまい、気づけばドッグランでさみしげに1匹ポツン、ということもあったという。 しかし、UGに行けばハイパー仲間がいくらでも相手をしてくれる。今も月に一度通っているが、「UGが大好きで、中目黒の駅に着くとうれしくて大騒ぎ」とお母さんは笑う。 走るのが大好きで得意な秋太郎くん。テリア系のイベントで徒競走に出場したところ、なんと優勝に輝き「最速犬」のタイトルを手にした。 「ドッグランでは避けられたりして肩身が狭かった秋太郎が、表彰台の真ん中に堂々と立って、みんなから歓声と拍手を送られている。誇らしくて、うちの子を見て見て!って叫びたくなりました」。お母さんは目頭を押さえながら、こう語った。 「私たちの自慢の息子です」 秋太郎くんの存在によって一番変わったのは、お父さんかもしれない。「ドッグランに行こう会」を自ら企画し、犬友家族たちに声をかけたという。「自分から誰かを誘うことが夫はどちらかというと苦手なタイプ。驚きました」とお母さんが言うと、お父さんは「ただただ犬たちを楽しく遊ばせてあげたくて」とニッコリ。 UGのオフ会では憧れのボストンテリア、アビー先輩とも初対面。社会化お泊まりで姉と弟のように過ごしたルナちゃんも一緒になり、今では家族ぐるみで仲良くしている。お母さんは笑顔で語った。 「私たちの世界がどんどん広がっている。秋太郎が縁をつないでくれているのです」 店長は「正直もっと時間がかかるかと思っていましたが、元気でハイパーなところはそのままに、かっこいい男の子に成長しました。お父さんとお母さんは相変わらず秋太郎くんにメロメロで甘々ではありますが(笑)、お散歩やハウストレーニングなどやるべきことはきっちりやる、ルールをあいまいにしない、そして何より秋太郎くんを心から信じることで、家族としての絆がどんどん強くなっている」と話し、こう一言。 「親バカで何が悪い? 親バカサイコー! 秋太郎くんファミリーを見ていると、僕は思わずそう叫びたくなっちゃうのです」