「2024年本屋大賞」は宮島未奈さんの『成瀬は天下を取りにいく』。「M-1王者のように本屋大賞作家とずっと呼ばれることになる。身が引き締まる」
その後の取材では「大津の人は喜んでくれるかなとは思っていたんですが、それが全国に読まれるとはとても意外なことでした。大津に来たいと言ってくださる方も多くて、大津のいいアピールになったのかなと思っています」と受賞の喜びを口にした。 主人公の成瀬については「特定のモデルはいないんですが、こんな子がいたら楽しいかな、どんな子にしようか考えた時に、ちょっと変わった子にしようと思って、どんなキャラクターがいいか考えながら書きました。滋賀愛が強いのは私というより成瀬。私は成瀬の滋賀愛を代弁しているだけ」、またこの日の受賞についても「私はもちろん素晴らしい賞で、ここまでこられたことが奇跡のように思っているんですが、成瀬だったら、多分“これは通過点だ”というと思います」などと語った。 今年1月に続編となる『成瀬は信じた道をいく』が出版されたのだが「この先、第3作目が出る予定はあります。もう書き始めているところです」とのことだった。 宮島さんの他に今回、大賞にノミネートされた作品は津村記久子『水車小屋のモネ』、塩田武士『存在のすべてを』、夏川草介『スピノザの診察室』、多崎礼『レーエンデ国物語』、川上未映子『黄色い家』、青山美智子『リカバリー・カバヒコ』、凪良ゆう『星を編む』、知念実希人『放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件』、小川哲『君が手にするはずだった黄金について』の9作。 また特別企画である「翻訳小説部門」はファン・ボルム著、牧野美加訳の『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』、「発掘部門 超発掘本!」は井上夢人の『プラスティック』がそれぞれ選ばれた。