あすから日米共同演習「キーン・ソード」、南西諸島の前線で負傷した隊員の輸送訓練も
自衛隊と米軍は23日から、日本周辺の海空域や基地などで最大規模の日米共同演習「キーン・ソード」を始める。有事の医療体制の強化に向けて、南西諸島の前線で負傷した隊員らを沖縄本島経由で関東や九州の自衛隊病院に運ぶ一連の動きも初めて訓練する。11月1日まで。
日米が隔年で行う実動演習で17回目。両国部隊の約4万5000人のほか、艦艇約40隻、航空機約370機を動員する。民間の空港・港湾も約30か所活用する。
島しょ防衛を想定した上陸作戦や空挺(くうてい)部隊による降下、ミサイル防衛などの訓練も行う。日米の輸送機オスプレイも投入する。
自衛官トップの吉田圭秀(よしひで)・統合幕僚長は22日、米海軍佐世保基地(長崎県)で米太平洋艦隊のステファン・ケーラー司令官と共同記者会見を行い、「我が国周辺でウクライナや中東同様の深刻な事態が生起する可能性は排除できない」と述べ、日米で抑止力を強化する方針を強調した。