『その電話が鳴るとき』ユ・ヨンソクの“底なし沼”な魅力に浸る 王道のハプニングキスも
『その電話が鳴るとき』は2024年最後に届いた傑作ロマンス
ヒロインのヒジュは、サオンに溺愛されながらも一向に気がつかない鈍感さんであり、無鉄砲だけど頑張り屋な姿は愛さずにはいられない。演じているチェ・スビンの魅力が最大限に花開いている。ペク・サオン、ホン・ヒジュ夫婦を演じるユ・ヨンソクとチェ・スビンは、これまでそれぞれが演じてきた歴代キャラクターを大きく更新する最高の演技を見せており、エキサイティングでスリリングでパッションに満ちた駆け引きに魅せられる。 第6話で遭難したヒジュが「406」としてサオンに電話をした瞬間、「ヒジュ! ……いや、406」と、緊迫した状況でも咄嗟に言い直せるサオンの冷静さと、ヒジュに対する深い愛に感動させられた。どれだけヒジュのことが好きなのだろう。サオンという男は底なし沼のような魅力を持っていて、2024年の最後に突如現れ、筆者も含めた韓国ドラマファンの心を鷲掴みにしてしまった。 サオンとヒジュ夫婦の愛の物語は、ただロマンティックなだけではなく、ふたりと過去に因縁のある人物たちが見え隠れする。サオンと拉致犯、精神科医サンウ(ホ・ナムジュン)の関係性に「双子」という推理心をくすぐる存在も浮上した。スリラーとして、推察する楽しみももたらしてくれる本作の巧みなプロットにも興奮してしまう。 妻を溺愛する純情さと冷淡さのギャップを魅力的に表現するユ・ヨンソク。彼の底なし沼のような演技にドップリと浸れる日々が、2024年の最後に来るとは思いもよらなかった。次の配信日までに何度もリピートしてしまうほどサオンは魅力的だ。韓国ドラマ界からのソンムル(韓国語でプレゼント)のような、心を掴まれるキャラクターとドラマに出会えて嬉しいことこの上ない。
にこ