「VARとは?何のためにあるの?と思ってしまう」川崎OBが吐露。ファウルの可能性に「グッと集中」、オフサイドチェックはせず決勝点に
「これで勝敗が決まってしまった事実がある」
日本サッカー協会(JFA)の審判委員会が9月11日、都内でレフェリーブリーフィングを実施。佐藤隆治JFA審判マネジャーが、Jリーグで注目を集めた事象に見解を示したなか、7月20日に行なわれた第24節、柏レイソル対川崎フロンターレでの出来事も扱った。 【動画】ノーファウルだけどオフサイドだった?議論の対象になった判定 注目を集めたシーンは、2-2で迎えた79分。川崎のキャプテン脇坂泰斗が決勝点を挙げた場面だ。マルシーニョのシュートを柏GK松本健太がキャッチしきれずこぼすと、瀬川祐輔がすかさず反応し、シュート。これが身体を張ってブロックした松本に当たって再びこぼれ、最終的に脇坂が押し込んだ。 レフェリーはその直後、松本と接触した瀬川にファウルがなかったか検証した模様。そのうえで、得点を認めた。ただ、問題の判定はここではなかった。オフサイドの可能性もあったが、こちらに関してはノーチェックで流してしまったのだ。 佐藤審判マネジャーは次のように説明する。 「多分、現場で選手はキーパーへのチャレンジにフォーカスして、レフェリーもVARも『チェックしなきゃ』っていった時に、そこにグッと集中した。でも、フラットに見れば、明らかにここのチェックはしなかったってこと」 このフィードバックは人々の関心を集めるなか、かつて川崎で活躍した武岡優斗氏もXで反応。佐藤審判マネジャーの発言を報じるネットニュースを引用したうえで、率直な思いをこう綴った。 「あくまで個人的な意見です。これで勝敗が決まってしまった事実がある。VARとは?何のためにあるの?と思ってしまう」 なお、佐藤審判マネジャーは今後の戒めにすると強調。「取り返しはつかない。この後、残り何節ってなった時に、本当に1つの判定が大きくなる。こういうものは、みんなとすぐに共有します。現場もそうだけど、VARもAVARも『ここは落としちゃ駄目』」と気を引き締めた。 構成●サッカーダイジェストWeb編集部