「養育された子が里帰り出産できるような場所を」…元児童福祉専門職員が一念発起 自宅を改修、ファミリーホーム開設へ CFで賛同者も募集
鹿児島県鹿屋市輝北町市成の農業米重花子さん(44)が、社会的な養護が必要な子どもを家庭的な環境で養育するファミリーホーム「米重さん家(げー)」を自宅で開く準備を進めている。2025年1月1日にオープンする予定で、「自然と共にある農家の暮らしは子どもにプラスになるはず」と意気込む。 【写真】自宅をファミリーホームに改築中の米重花子さん(左)=鹿屋市輝北町市成
養育対象は原則18歳までの子ども。里親の定員が4人以下であるのに対し、ホームは5人または6人に設定できる。県によると、県内には9カ所あるが、大隅半島には現在ない。 米重さんは元県児童福祉専門職員。10年前に結婚を機に退職するまで児童相談所などでさまざまな子どもと接してきた。「養育された子が里帰り出産できるような場所をつくりたい」と考え、仕事としてホームを運営すると決意。ともにスプレーギク栽培を営む夫の義和さん(47)の理解を得て、開設に必要な里親の認定を取得するなど3年前から準備してきた。 国は施設より家庭に近い環境となるホームや里親での養育を推進するが、実際に委託している県内の割合(里親等委託率)は低い。米重さんは「大隅半島に開設することで、こんな選択肢があると子どもたちに示したい」と話す。 地域との交流スペース用のテラスも設ける予定で、資金を募るクラウドファンディング(CF)を20日~11月30日に実施する。目標額15万円で、お礼に米などを用意している。米重さん=099(479)3080、メールhanakohuazi@gmail.com
◇里親等委託率 乳児院、児童養護施設の入所児と合わせた児童数に占める里親・ファミリーホームへの委託児童数の割合。こども家庭庁の資料によると、2021年度末時点で鹿児島県は17.1%。全国(都道府県、政令指定都市、中核市の一部計70自治体)の23.5%を6.4ポイント下回り、12番目に低い。
南日本新聞 | 鹿児島
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