<挑む・’24センバツ>戦力分析/上 青森山田 光る本格派、両右腕 守備からリズム作る /岩手
8年ぶり3回目のセンバツに挑む青森山田は、中学時代に全国優勝を経験した選手らを中心としたチームだ。守備からリズムを作って攻撃につなげる野球で、まずは大会初勝利を目指す。監督やスタッフも「勢いがある」と認めるチームの仕上がりは上々。東北王者の誇りを胸に、全国制覇を目標に掲げる。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 投手陣は、エース関浩一郎(2年)、秋季東北大会決勝で八戸学院光星(青森)を相手に無安打無得点試合を達成した桜田朔(同)の両右腕が中心だ。いずれも最速145キロの本格派。主将で捕手の橋場公祐(同)は関を「全ての球が勝負球に使える」、桜田を「まっすぐだけならずばぬけている」と評する。 関は昨秋、明治神宮大会を含めて7試合に登板し42奪三振。エースとして奪三振数にはこだわっており、「引退までに公式戦100奪三振」を公言、持ち味である低めの変化球の精度を磨く。中学時代にエースとして全国優勝した桜田も6試合で投げ、防御率はわずか0・32。東北大会では立ち上がりに課題を残した試合もあり「センバツではチームにいい流れを持ってこられるようにしたい」と気を引き締める。 打線は、今大会から本格導入される低反発の金属バット対策としてウエートトレーニングを強化している。冬場の打撃練習は室内練習場が主となるため、2月に入って雪のない岩手県陸前高田市で合宿し、ボールの飛び方などを確認した。 昨秋の東北大会で全試合安打を放った4番の原田純希(同)は「チャンスで打つだけでなく自分でもチャンスを作れるようにしたい」と低めの変化球を打ち返す練習を重ねる。新基準のバットは昨夏から練習で使っており、対応に焦りはない。 秋季を通じて打率4割を超えたリードオフマンの佐藤洸史郎(1年)は神宮大会後のけがから復帰したばかり。「甲子園でも4割を目指してチームを勢いづけたい」と意気込む。 「中学からの内部進学組と高校から入った選手で、うまくチーム内競争ができている」と兜森崇朗監督。一人一人の個性を生かしたチーム作りで頂点を狙う。【江沢雄志】 ◇ 第96回選抜高校野球大会に出場する青森山田、八戸学院光星(青森)、学法石川(福島)の戦力や注目選手を全3回で紹介する。