「親のスネをかじればいいじゃん」結婚式割り勘論争でブチギレ、冷戦に。「新郎新婦の埋められない経済格差」
ネット界隈を定期的に賑わせる「割り勘論争」。さまざまな主張が飛び交う中で、「当人同士が良い方法がベスト」という意見が目立つものの、その「ベスト」とやらがわからず溝を深めるカップルは少なくないだろう。 また、高額となるケースが多い結婚式の費用の負担割合も、カップル間でバトルになりがちなテーマとして知られる。 結婚情報誌ゼクシィが実施した「結婚トレンド調査2021調べ」によると、結婚式・披露宴総額の平均費用は約292万円だったという。結婚式はあくまで新たな生活のスタート。今後の生活を考えれば、この金額は確かに重い負担である。 今回は、この結婚式の高額費用の分担方法についてお相手と意見が食い違い、現在冷戦状態に陥っているという女性に話を聞いた。 「お金についてどんな価値観を持つのも自由ですが、それを本音で話してくれなかった彼氏に対して、いま不信感しかないです」 そう語るのは、割り勘論争の意見を調査していく中で出会った伊藤はるかさん(仮名)。マッチングアプリで知り合った男性と結婚を前提に交際をしている33歳だ。 「私は結婚願望が強かったので、今の彼と知り合ってからわりとすぐリアルで会いました。前の彼氏が転職ばかりしていて不安な人だったので、新卒入社で10年以上真面目に勤務して堅実に頑張ってきたという今の彼を選んだんです」 経済観念、性の相性、飲酒した時の様子、この3点は必ず確認してから結婚したかったというはるかさん。譲れないという3点は、いずれも以前交際した男性たちとの間でもめたポイントばかりだという。 「今の彼は3つともクリアした珍しい人。ケチでもなく金遣いが荒いわけでもない、いい意味で普通の経済観念を持っています」 はるかさんが今結婚を前提につき合っている彼は、つき合いはじめから結婚を決めるまで、一貫してお金に関して見栄を張ることもなく、かといって出し渋るような雰囲気もなかったという。年収額もあっけらかんと教えてくれた。 「お給料日前には商店街の定食屋さん、給料日後はそこそこの焼肉、といった感じで、外食一つとってもメリハリがあって、私の理想とする”普通”の感覚に近いな、凄くいいなと思いました。それに、私も最初の段階で自分の収入を教えていて、彼の年収が私の1.5倍だということはお互い把握しているんです。それで自然な流れで、外食する時は概ね彼が出して、時々払える範囲で私がお返しとしてご馳走する、というペースが出来上がっていったんですね」 すべて男性にお金を出してほしいとは全く思わない、とはるかさんは言う。 「それぞれのカップルとか夫婦が納得行ってれば、他人がとやかく言うことじゃない、という意見に、私は基本賛成です。でも、それは相手がちゃんと本音を言ってくれることが前提です。最初だけいい格好して、後で正体バラす、みたいなのは絶対やめてほしい。計画的に”釣った魚に餌やらない”とか、あり得ないです」 しかし、はるかさん曰く、今の彼氏こそが「計画的に釣った魚に餌をやらないようにする」男性だったのだそう。 はるかさんは、結婚式費用を完全折半にしたいと申し出た彼氏に不信感を持つようになったのだ。 後編に続く。