ラグビーコラム 応援動画「ラグビール」元日本代表FB細川隆弘氏が配信開始 故平尾誠二氏、スクール・ウォーズの話題も
【ノーサイドの精神】ラグビー元日本代表FBの細川隆弘氏(57)がこの春からラグビー応援チャンネル「ラグビール」の動画配信を始めた。細川氏がビールを飲みながらラグビーについていろいろと語っていくという内容だ。 と言っても約25年前に引退した後、ラグビー界から完全に離れていた「細川隆弘」という、かつての名キッカーを今の若いファンはほとんど知らないかもしれない。 細川氏は「ミスターラグビー」と言われ、2016年10月に53歳の若さで亡くなった故平尾誠二氏のいとこで、伏見工(現京都工学院高)、同志社大、神戸製鋼(現リーグワン神戸)と4歳上の平尾氏と同じ道を歩み、神戸製鋼では日本選手権7連覇に貢献。日本代表10キャップを持ち、日本がW杯で初勝利を挙げた第2回大会のジンバブエ戦(○52-8)にも出場している。 筆者にとって細川氏について一番心に残っているのが西サモア(現サモア)、トンガ、韓国、日本の4カ国で争われた1990年4月の第2回W杯アジア予選初戦のトンガ戦(秩父宮)だ。 このときW杯に出場できるのは上位2チームだけで、当時は西サモア、トンガは日本よりも強く、韓国も実力は互角とみられていた。その厳しい予選の初戦でプレースキッカーとして抜擢(ばってき)され、代表デビューした細川氏は1ゴール6PGを決めて28-16の勝利に貢献。負けていたらW杯本番には出場できず(日本は西サモアに敗れて2位で予選通過)、第1回から昨秋の第10回W杯フランス大会までの連続出場は途切れていたし、何よりも世の中のラグビー熱が冷めてしまい、その後、どうなっていただろうかと思っている。 だから、筆者的には日本ラグビー界の窮地を救った人という印象なのだ。 そんな細川氏が再びラグビーに関わるようになった。 「ラグビーが話題にもならなくなったら寂しいじゃないですか。僕が今からラグビー人口を増やすことはできないが、『ラグビーっておもろいで』と興味を持ってくれる人ぐらいは増やせるのではないか」と話し、「楽しい雰囲気を作るには、ビールを飲みながらが一番良いかなと」と企画の意図を説明する。 その細川氏が語るのはリーグワンやエディ・シャパンなど最近のラグビーの話題から自身の体験談、独特のラグビー観とさまざまだ。