古川雄大“瀧山”と愛希れいか“家定”の運命を変えた瀧内公美“正弘”の忍耐力がすごすぎる<大奥 Season2>
男女が逆転した江戸の世界を描く、ドラマ10「大奥 Season2」(毎週火曜夜10:00-10:45、NHK総合)の“幕末編”、第16回が11月7日に放送。第16回では、正弘(瀧内公美)の忍耐力が、家定(愛希れいか)と瀧山(古川雄大)を救う描写が描かれた。 (以下、ネタバレを含みます) 【写真】誰よりも強く気高い最後の大奥総取締・瀧山(古川雄大) ■「大奥 Season2」“幕末編”を紹介 よしながふみの同名コミックをドラマ化した作品。3代将軍・家光の時代から幕末・大政奉還に至るまで、男女が逆転した江戸のパラレルワールドを舞台に、ジェンダー、権力、病など、現代社会が直面する課題を描く。 2023年1月期に放送されたドラマ10「大奥」(NHK総合)のシーズン2作目となる今作は、8代将軍・徳川吉宗の死よりおよそ20年後の物語。「この国から赤面(あかづら)を駆逐してほしい」という吉宗の遺志を引き継いだ若き医師たちは、理不尽な権力や悪にも抗いながら謎の疫病「赤面疱瘡(ほうそう)」撲滅の道を地道に切り拓いていった。 その結果、男子の数は増え始め、ついには150年ぶりに男将軍が誕生するまでの世へと紡がれていった。“幕末編”では、世のかじを男性が取るようになってから、世は再び乱れ始め、女将軍が復活。 そして、開国、攘夷、大政奉還、江戸城無血開城と時代は大きく突き進んでいき、徳川という時代の幕引き、ついには“大奥”の終焉を迎える。“幕末編”は“医療編”に続き、初めて映像化される。脚本は森下佳子が手掛ける。 ■正弘が家定を守るために奔走…「大奥 Season2」第16回のあらすじ 熊痘(ゆうとう)により赤面疱瘡が撲滅。男子による家督相続が広まった世へと様変わりを果たす。しかし12代将軍・家慶(高嶋政伸)は娘の家定を寵愛し、次の将軍に指名する。 老中となった阿部正弘は、事あるごとに家定に呼びつけられ、やがて彼女が置かれる境遇を知ることに。 何か手立ては無いかと方々に救いを求めるうちに、芳町で出会った瀧山を大奥に上げることで家定を守るとりでを作ろうと奔走する。 ■瀧山との出会い 腰の重い兄・正寧(浜中文一)に代わり家督を継いだ正弘は、男だらけの職場で疲弊していた。そんな中、正弘はひょんなことから訪れた芳町で陰間の瀧山に出会う。 学問に励み、自分のやりたい事が自由にできることを夢見る瀧山と話すことで、家督を継いだ日のことを思い出す正弘。ため息ばかりついていたら罰が当たるという正弘は、知らず知らずのうちに、自分で自分の首を絞めてきたのだろう。 その後、瀧山に話を聞いてくれた礼を伝え、店から出た正弘はどこかすっきりとした様子だった。その瞳には、もう一切の迷いはなかった。正弘との出会いが瀧山の運命を変えていくように、瀧山との出会いが正弘の運命を変えたのだ。 ■家定の元へ駆け付ける正弘 寺社奉行から老中へ出世した正弘は、家定に身代りとなる覚悟で仕えると誓う。その日から、家定に何度も呼び付けられ、ともに菓子を作ることに。最初は困惑していた正弘だったが、次第に家定との仲を深めっていった。 そんなある日、正弘は家定からの呼び付けに遅れてしまい、家定からきつく叱られる。その際に、家定の表情を見て何かがおかしいと気が付き、探りを入れることを決めた正弘。 家定が幼き頃より実父である家慶からの虐待に苦しんでおり、自分と菓子を作る約束をすることで、家慶から逃げていたことを知る。真相を知り、家定のことをちゃんと理解できていなかったことを悔しく思った正弘がぐっと両手を握るシーンには胸が締め付けられた。 ■正弘が家定と瀧山の運命を変える 正弘は、家定を守るために大奥を作ることを考える。正弘は大奥を作るまでの間、さまざまな苦労をしたかもしれないが、そのおかげで、家定と瀧山の運命を変えることになる。 家定は、大奥を素直に喜べずにいた。しかし、瀧山から大奥にいる男らは、正弘が家定を守るために集めたと聞くと、涙を浮かべる。助けなどずっと昔に諦めていた家定が、正弘によって救われ、家慶に立ち向かうことを決めた貴重なシーンとなった。 一方、瀧山は大奥に上がることを一度は断るものの、正弘の説得により大奥に上がることに。その後は、持ち前の器量と権勢を発揮し、大奥の男らを束ねていく。夢に真っすぐな陰間の瀧山も美しかったが、大奥総取締として活躍する姿はもっと輝かしかった。 家定と瀧山の運命も、正弘のすばらしい忍耐力がなければ何も変わらなかったように思う。そして、家定と瀧山がこれからの正弘の行く道を助けてくれることに期待したい。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部 ※高嶋政伸の「高」は正しくは「はしご高」