北方領土を考えるきっかけに 札幌で歴史や現状を知る写真展
【北海道・札幌】昨年は 戦後70年ということで、太平洋戦争に関連した多くの行事が開催されました。とはいえ、「戦争の記憶」を風化させてはいけません。戦争経験者が減少している今だからこそ、啓蒙活動が重要になってきているともいえます。 【写真】ロシア愛国主義に翻弄される「北方領土」 整備を進める本気度は? そんな中で、1月18日(月) から、札幌市中央区民センター(札幌市中央区南2西10)で開催されているのが「北方領土写真パネル展」です。
2月7日の北方領土の日に向けて
このパネル展は、2月7日が「北方領土の日」であることを記念して 1月22日(金) まで開催されています。また、23日(土) から27日(水) までは札幌北区民センター(札幌市北区北25西6)に場所を移して行われます。 北方領土の日とは、日露通好条約が1855年2月7日に調印されたことにちなんで設定された日で、この条約では「日本とロシアの国境が択捉島とウルップ島の間にあること」「択捉島・国後島・色丹島・歯舞群島が日本の領土であること」が明確にされています。 根室市の納沙布岬から歯舞群島の貝殻島まではわずか3.7キロ、別海町の野付半島から国後島までも16.0キロと、北海道とは至近距離にあるのが北方領土です。パネル展では、北方領土の歩みや戦後における日露首脳会談の進展、北方領土での日ロ交流の様子、北方領土の現在の状況などについて、写真を中心に振り返ります。
札幌でも関心を持ってほしい
このパネル展を主催している公益社団法人北方領土復帰期成同盟・石狩地方支部事務局長の吉田英洋さんは「道東は北方領土が近いこともあり返還運動への熱が高いのですが、札幌を中心とした石狩地区でも北方領土への関心をもっと持ってもらいたいと思い、パネル展や学生の弁論大会を企画しています。元島民の方で“語り部”として活動されている人も少なくなってきたので、このような啓蒙活動を通して、北方領土の今を伝えていきたいです」と、パネル展の開催する意義を語りました。 2013年4月に行われた日露首脳会談では「戦後67年(当時)を経て平和条約が存在しないことは異常事態、解決すべき問題を解決し平和条約締結を実現する」ことを確認しましたが、その後も進展はないままです。今回のパネル展を通じて、あらためて北方領土の歴史や現状について、考えるきっかけにしてはいかがでしょうか。 (ライター・橋場了吾)