ジュンブロッサム（手前）はゴール前で力強く抜け出して富士Sを勝利（撮影・奈良武）

戸崎圭太（44）＝美・田島＝騎乗で4番人気のジュンブロッサムがゴール前で力強く抜け出し、重賞初制覇を飾った。ワールドエース産駒はJRA重賞初勝利。次走は優先出走権を獲得したマイルCS（11月17日、京都、GⅠ、芝1600メートル）の予定。1馬身差の2着には1番人気のソウルラッシュが入った。 ◇ 5歳馬のジュンブロッサムが、強豪マイラーをなぎ倒して重賞初制覇。レース史上最多タイの3勝目を挙げた戸崎騎手から笑みがこぼれた。 「狙ったところよりもいい位置で、スムーズでしたね。前走もそうでしたが、最後の脚はいいものを持っているので、そこを信じていました」 前走の関屋記念は出遅れが響いて3着。「ゲートが課題だと思っていましたが、うまく出てくれた」と鞍上が話すように、五分のスタートが勝利につながった。絶好の手応えから満を持して追い出されると、先に抜け出したソウルラッシュをかわし、5度目の挑戦でタイトルをつかんだ。 友道調教師は「調教の動きからも前回以上の具合の良さがわかった」と目を細め、マイルCSに向かうことを明言。鞍上も「GⅠでも楽しみです」と声を弾ませた。マイル戦線に現れた遅咲きの新星が、一気に頂点を狙う。（吉田桜至郎） ■ジュンブロッサム　父ワールドエース、母エンプレスティアラ、母の父クロフネ。黒鹿毛の牡5歳。栗東・友道康夫厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファーム生産。馬主は河合純二氏。戦績19戦5勝。獲得賞金1億7803万8000円。重賞は初勝利。富士Sは戸崎圭太騎手が2014年ステファノス、16年ヤングマンパワーに次いで3勝目、友道康夫調教師は初勝利。馬名は「冠名＋花。開花する様に」。