韓国SKグループ会長が離婚訴訟取り下げ…「離婚を先に確定してほしい」
「慰謝料20億ウォン、財産分割1兆3808億ウォン」をめぐり大法院(最高裁)で争っているSKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長が23日、2018年に自身が出した離婚訴訟を取り下げる書類を大法院に提出した。崔会長側は控訴審でアートセンターナビの盧素英(ノ・ソヨン)館長が提起した反訴のうち財産分割と慰謝料の部分の判決に対し上告した。これまで離婚請求認容自体をめぐっては争わなかったが、今回は自身の離婚請求自体を撤回するという立場を表明したのだ。 崔会長は2018年2月19日に盧館長を相手取り離婚訴訟を提起し、盧館長は約2年後の2019年12月に慰謝料と裁判分割請求を含め離婚反訴を提起した。裁判所は当初それぞれ単独で扱われていた両事件を2020年1月2日にともに審理することにした。2022年12月の1審でソウル家庭裁判所は「崔会長が盧館長に慰謝料1億ウォン、財産分割665億ウォンをして盧館長の離婚請求を認容する」と判決した。双方が控訴して行われたソウル高裁での控訴審で裁判所は5月に「崔会長が盧館長に慰謝料20億ウォン、財産分割1兆3808億ウォンをして盧館長の離婚請求を認容する」と判決した。 盧館長は控訴審判決に対し上告せず、崔会長だけが「財産分割と慰謝料判決が誤っている」として上告し、大法院で審理している。 これに対し崔会長は4日に裁判所を公正取引委員会の業務と関連して必要なため離婚判決確定を証明してほしいという確定証明書申請書を出したのに続き、この日訴えの取り下げ書を提出した。 崔会長側代理人は「家族関係登録簿などを整理し、盧館長の弟の盧載憲(ノ・ジェホン)東アジア文化センター院長と母親の金玉淑(キム・オクスク)氏らが株式を持っている会社を公取委で系列会社申告から除外する必要性があり確定証明書を申請したもの」と説明した。その上で「崔会長は離婚請求そのものを取り下げたため、盧館長が請求した離婚、財産分割、慰謝料事件のうち崔会長が上告した財産分割と慰謝料の部分だけ残して審理を進めれば良い。離婚事件は盧館長が請求した離婚が認容され、この部分は上告せず法的に確定したもの」とした。 これに対して盧館長側代理人は「財産分割確定前に離婚を先に確定するというのは財産分割せずに糟糠の妻を追い出そうとする家庭破壊の試みの一環」と反発した。また「盧載憲氏はすでに2004年に公取委の承認により親族から分離され独立的に法人を経営しており、系列会社に編入されたことはなく、崔会長が虚偽の主張をするもの」と反論した。 手続き的には相手側である盧館長も「離婚」は争点にしていないため、盧館長が同意すれば確定証明書を出す余地もある。ただ盧館長が「離婚を先に確定」することに同意しないという立場を明らかにしたものだ。 大法院が離婚と財産分割をそれぞれ別個の事件とみることもできるが「相手方の過失による離婚」に対する慰謝料請求の部分がまだ残っており、離婚だけ先に確定する可能性は大きくないという。崔会長が慰謝料の部分を争わないならば財産分割事件だけ残される可能性もあるが崔会長は慰謝料部分も上告した状態だ。 崔会長が提出した訴えの取り下げ書は提出から2週間が経過すれば確定する。大法院がこれを反映し「離婚確定証明」を出すべき期間は決まっていない。離婚を別に確定できると判断すれば早い時期に確定証明を発給することもできるが、そうしない場合は特別な通知はせず継続して事件を審理することになるものとみられる。