【体験談】友だちは推薦で一足先に合格…「あっと言わせる」荒れた教室で誓った反骨精神
高校のクラスの中で、推薦型選抜など年内入試で合格した人が増えてくると、授業に集中する生徒が減ってきてしまいます。そんな環境で、一般入試に挑戦する生徒はやる気を保つのが大変です。また、定期テストで良い成績を取っていても、いざ入試となると、緊張感の中で慣れない問題形式に苦戦する受験生も少なくありません。駒澤大学で充実したキャンパスライフを送る法学部政治学科1年の鈴木宙音(そらと)さんに、受験期に苦労したことを振り返ってもらいました。 【写真】憧れの大学、こだわって2月に「6回」受験 家族で合否を確認、結果は…
――志望校を決めたのはいつ頃でしたか。 高校1年の時は、政治を学べる学部に行こうと考えていました。中学生の頃から新聞を読む習慣がついていて、政治面や外交面のニュースに特に興味を持っていました。高校でも現代社会の授業がすごく好きでした。地元の茨城から上京したい思いもあったので、高校2年の初めには東京都内の大学の中から政治を学べるところを探し出し、志望校をいくつかに絞りました。 ――早めのスタートでしたね。受験勉強は順調でしたか。 正直、モチベーションを保つのに苦労しました。というのも、高校は特進クラスと普通クラスに分かれていて、僕がいた普通クラスは、推薦で大学に進む人が9割を占めていました。本当は僕も指定校推薦を取りたかったのですが、興味のあった政治学部の枠はゼロ。一般選抜で勝負するしかないと、早いうちから教室の隅で黙々と勉強していました。 一方、推薦組のクラスメートたちは高校3年の秋には合格を手にしたため、11~12月には授業をまともに聞く人はほとんどいませんでした。浮かれ気分で騒いでいる人が多く、教室の中はまるで動物園状態。そんな環境で集中力やモチベーションを保つのは大変だったものの、「志望校に合格してみんなをあっと言わせてやるぞ」という反骨精神で、どうにか乗り切りました。冬休みは特進クラスに交じって学校の講習を受けたり、自習室に毎日のように通って、わからないところは特進クラスの友達に教えてもらったりしながら勉強を続けました。 ――どのように勉強を進めたのですか。 僕はもともと、普段からコツコツと勉強するより、定期テスト前に集中して詰め込むタイプでした。それでも試験の点が取れていたし、成績もいいほうだったのですが、高校3年で初めて受けた模試で定期テストとは違うことを知りました。思ったよりも点数が取れず、志望校判定もCやDが並んで厳しい結果でした。それで、これはやばいぞ、と焦りました。 夏休みの頃からは赤本も解き始めましたが、大学入試問題は高校の定期テスト問題とは別物でした。例えば、政治・経済一つをとっても、定期テストでは教科書さえちゃんと押さえておけば解けたのに、大学入試だと、資料集の隅に小さく載っているような知識が問われることもあります。「えっ、これ出してくるの?」と言いたくなるような、細かい知識です。 これでは、今までのように、ただ暗記をするような勉強では通用しない。そう気づいたものの、どう対策すればいいのかわかりません。勉強方法を模索した末、夏休みは高校の先生をつかまえて、つきっきりで教えてもらいました。 先生からは、出題されやすいポイントや一つの出来事をほかの関連事項と結びつけること、つまり点と点を結びつけ、どう線で考えるかというようなことを教えてもらいました。おかげで少しずつ成績が伸びて、受験の直前の模試では、駒澤大はB判定を取れるくらいになりました。とはいえ、最後まで「出題傾向をつかめた」「バッチリ対策できた」という自信は持てず、大学入試独特の出題形式にはもっと早くから慣れておけばよかったと思っています。