与野党一騎打ち「島根1区」の舞台裏は? “裏金事件”逆風で「保守王国」の牙城崩れる
■裏金事件が"追い風"…ターゲットは無党派層
対する立憲民主党から立候補した亀井亜紀子候補は、組織戦とは真逆で、日中のスーパーマーケットなど人が集まりそうな場所など「無党派層」にターゲットを絞った。 亀井氏は元国会議員の「知名度」と「人脈」を駆使し、少人数での青空集会やお茶会を繰り返すなど地道な活動も重ねた。その上で、“裏金事件”への怒りの受け皿になるべく、「無党派層」の支持獲得に乗り出す戦略をとった。
■選挙最終盤に陣営から不安の声…保守王国への警戒
最終盤、陣営の幹部からは不安も漏れた。「(情勢調査の)数字の上では勝っているけど、この人たちが全員投票に行くとは限らない」「最後の最後のところで組織力のある相手候補に追い込まれる、リードを許す、引き離されるということを繰り返してきた」これまで幾度となく惨敗を喫した保守王国での自民党の“組織力”への警戒だった。
■保守王国で大金星…衆院選につながるかは不透明?
立憲・泉代表は告示前を含め、6回も島根に入るほど注力した。立憲は「総力戦」で、1996年の小選挙区制導入から自民党が守り続けた「保守王国」に風穴を開けた。 しかし、ある立憲民主党の幹部は「ありがたいことだけど、政権選択選挙はまた違う」と冷静だった。「今回は自民党にお灸を据えるということも大きかったが、次の総選挙は『どっちに政権を担わせられるか』の選挙になる。本当の正念場はそこだ」と語った。総力戦で「保守王国」に風穴を開けた立憲の力が全国で通用するかどうか、真価が問われる。