ムジンを取り巻く環境に変化が……

　第8話でようやくエヨンの気持ちを取り戻したムジンは、これまでエヨンにできなかったことをするために奔走する。ミレの自立を促し、自身も子離れしようとしているエヨンを優しく励ましたり、自ら作った野菜でエヨンに食事を作ったり、テレビショッピングのモデルを頼まれたエヨンのマネジャーとなって世話を焼いたりしている。 　面白いのが、エヨン＆ミレ＆ヒョンジェの愛犬、メダルだ。これまではムジンを敵視し、ワンワン吠えていたのに、すっかりムジンに懐いてしまった。おとなしくムジンに抱っこされているところをミレに見られ、メダルの表情が一変するところが笑える。「犬がそんなに表情を変えるわけがない」と突っ込む人がいるだろうが、愛犬家であれば「いや、犬はこうやって表情を変える！」と納得し、大笑いしたのではないだろうか。 　ミレはムジンを完全に許したわけではなさそうだが、ムジンの想いを少しずつ理解しているように見える。実際に一人暮らしを心配して自宅の前をウロウロしているムジンを自宅に招き入れ、お茶をごちそうしたのは大きな進歩だろう。 　その一方で、ムジンの唯一の味方であるヒョンジェは、大学へ復学するように言ったことで、亀裂が入ってしまう。「好きなとんかつも食べようとしないんだ」とオロオロしながらエヨンに相談するムジン。しっかり父親をしているではないかと温かい目で見守りたくなる。ヒョンジェも起業の夢をムジンに否定されてブスっと拗ねてしまうところが、いかにも末っ子の甘えん坊という雰囲気を出していてかわいい。 　家族とゆっくり溝を埋めつつあるムジン。もう一つの懸念事項だった家族ビラの前の大家の死に関して、ムジンは関与していないことが明らかになった。前の大家の娘が不穏な動きをしていたため、本当のところはどうなんだろう……と不安になった視聴者も多かったのではないだろうか。 　ムジンの無実を信じ「家族だから分かる」と言い切ったエヨンは、カッコいい女性だと感じた。エヨンの勢いに押されたのかもしれないが、賛同したミレとヒョンジェ。ムジンが家族との絆を取り戻すまで、あともう少しだ。