長野県安曇野市版レッドデータブックを10年ぶり改訂
長野県安曇野市は、絶滅の恐れがある動植物や重要な自然環境の情報をまとめた「市版レッドデータブック」を改訂した。平成26(2014)年の作成から10年が経過しており、生息状況の変化を反映させた。植物は2014年版から22種減の320種が、動物は65種増の397種が掲載されている。12日と13日に市堀金総合体育館で開かれる安曇野環境フェアで販売を始める。 市町村レベルでレッドデータブックをまとめているのは全国的に珍しく、県内では長野市や千曲市など一部に限られる。安曇野市環境課は「レッドデータブックを通して安曇野の自然環境を守っていきたい。そのための手引書として活用していく」としている。 改訂に当たり、市民や専門家の協力を得てこの10年間の調査記録の整理や現地調査を行った。2014年版と同じく、絶滅の危険性に応じて▽絶滅▽野生絶滅▽絶滅危惧Ⅰ類▽絶滅危惧Ⅱ類▽準絶滅危惧▽情報不足―の6区分に分類した。 植物については、個体数や集団数など客観的な評価基準を設けて分類した。水草の仲間であるヘラオモダカは2014年版で絶滅危惧Ⅱ類だったが、この10年で一定数が自生していることが確認されたため、レッドリストから除外された。 動物の8割を占める昆虫類は52種増えて304種になった。土地や河川の開発、水質汚濁、里山の手入れ不足などが増加の要因と考えられている。トンボの仲間・ハッチョウトンボは1980年代以降は確認されていないため、絶滅危惧Ⅰ類から絶滅になった。 自然環境に影響を与える可能性がある「注意すべき生物」も掲載されている。植物は7種増の22種、動物は12種増の38種と増えている。特定外来生物のチョウ・アカボシゴマダラや、条件付き特定外来生物のアカミミガメなどが加わった。 販売する冊子版は税込み1500円。2014年版も500円で販売する。PDF版は市ホームページから無料でダウンロードできる。問い合わせは環境課(電話0263・71・2492)へ。
市民タイムス