阪神・小谷野栄一打撃チーフコーチ、全選手の今季の全1万338打席チェック「確認してからじゃないと選手に失礼」
阪神は21日、藤川球児新監督が率いる来季のコーチ陣を発表した。1軍打撃チーフコーチに就任した小谷野栄一氏（44）は兵庫・西宮市の球団施設で会見し、「同学年の藤川監督がやるからこそ、自分自身もチャレンジしたいと思った」と意気込み、さっそく全選手の今季全打席をチェックすると宣言した。 猛虎に新しい風が吹き込まれる。藤川新政権で1軍の打撃チーフコーチを務めるのは小谷野氏。パ・リーグでプロの道を歩んできた男がタテジマに袖を通し、新境地へと飛び込む。 「現役時代にセ・リーグを経験したことがなかったので、自分自身のチャレンジ。同学年の藤川監督がやるからこそ、自分自身もチャレンジしたいと思った。監督から『力になってくれないか』と言葉をいただいて、決断しました」 2003年にドラフト5巡目で入団した日本ハムでは10年に打点王を獲得し、15年から4年間はオリックスでプレー。18年の現役引退後は楽天、オリックスで主に打撃部門でコーチ経験を積んだ生粋の〝パシフィカン〟だ。ただ、オリックスへの移籍後に親交を深くしていた同い年の藤川新監督から誘いを受け、新天地のセ・リーグでひと肌脱ぐ決意を固めた。 昨年の日本シリーズで対戦し、オリックスの打撃コーチの立場から見た阪神打線には「イヤらしい」「切れ目がない」との印象を抱いた。ただ、今季は4月に球団ワーストタイとなる10試合連続2得点以下を記録するなど低調で、485得点は昨季の555得点から70点減少。来季求められるのは、日本一に輝いたつながりをよみがえらせ、さらにすごみを増すような打線を築きあげることだ。 選手個々の能力を知るのはこれからだが、「一人一人の今年までの打席とか映像は全部確認してからじゃないと選手に失礼になってしまう」と、オフ期間には徹底チェックも敢行予定だ。1、2軍の公式戦だけでも総打席数は1万338回あったが、長所や課題を知るためならば資料が膨大でも関係ない。打線のテコ入れには時間も労力も惜しまず、目をこらす覚悟だ。 「DH制があるのと野手8人攻撃は全然違うと思う。そこは僕自身がほかのコーチや選手から学ぶこともあると思う。1年間を通して選手とともに成長していけたらと思います」
