アウトドア業界が政府に気候危機訴え: 1.5℃目標実現を迫る
記事のポイント①アウトドア業界が気候危機を訴えて、政府に1.5度目標への整合を迫った②気候変動によって「ビジネス、生活に危機的な影響を及ぼす」と訴える③118社とアスリートなど318人が賛同、国会議員などに提言書を渡していく
Protect Our Winters Japanは10月8日、アウトドア業界が受ける気候危機の影響を訴えて、政府に1.5度目標と整合した政策決定を求める提言書を発表した。気候変動は登山道の状態や植生・生物に影響をもたらし、ビジネスや暮らしにも「危機的な影響を及ぼす」と訴える。10月4日時点で118社、アスリートなど318人が賛同しており、今後は国会議員などに提言書を手交し政策への反映を促す。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)
賛同の呼びかけは一般社団法人Protect Our Winters Japanと一般社団法人コンサベーション・アライアンス・ジャパンの2団体が行った。今後、国会議員や議員連盟の働きかけを強めるとともに、意見広告やBURTON、KEEN、パタゴニアなどの複数店舗にポスターを掲示する。 気候変動は多くの人の生活を脅かしているが、アウトドアフィールドでも危機感は強い。生物や植生に影響が出ていたり、フィールドの荒廃や登山道の消失、スキー場の雪不足なども発生する。アウトドア業界だけでなく、周辺の宿泊業など地域経済に深刻な影響をもたらしている。 提言書では、政府に対してNDC、エネルギー基本計画、GX2040ビジョンに「1.5℃目標と整合していることの明記」「どのように整合しているかの説明」「目標に整合したスピード感で実行」を求める。さらに気候変動の影響を受けている人の声を反映するよう、審議会などの人選の見直しも迫る。 1.5℃目標整合に向けて、アンモニア混焼は目標と整合しないことや大幅な風力発電の導入など個別政策にも言及している。 提言書は10月4日時点で、パタゴニアやBURTON、KEENなどのアウトドア関連企業118社のほか、プロスノーボーダーやスキーヤーなどの318人の個人が賛同する。