【普通車の半額】バイクの高速料金割引、距離条件が20km短縮され申し込みも少しだけ便利に……〈多事走論〉from Nom
いったいいつになったら普通車の半額になるのか?
この牛歩のような歩みの遅さについて筆者が投稿したSNSに対して、批判的なコメントがいくつか書き込まれました。 それらは、「面倒な割にお得感がないし、システムを作るコストをかけるより通行料を下げて使用頻度を増やした方がいいはず」、「半額まであと何年かかるのか。その間に高速道路を利用する高齢ライダーがいなくなってしまいそう」、「お金を集めるのには努力するけど、出費を減らすには努力しないという体質」というものでした。 なぜ、ここまで国交省はこの問題に対して頑ななのか。誰しも疑問に思うことだと思います。おそらく、収支に関しても、高速道路料金が現在よりも安くなれば、高速を使用するライダーは確実に増加すると思われますから、減少よりも結果的に増収になる可能性が高いはずです。とても賢い官僚の方々ですから、そんな試算はとっくの昔にできているはず。 以前はシステムを改修しないと二輪だけの料金にするのは不可能で、費用が数千万円必要とのことで国が対応を拒否していたことがありましたが、それもツーリングプランや定率割引の導入で容易にできることがバレバレになっています。 ただ、国交省が、「二輪車はいつでも普通車の半額」に踏み切らない要因がひとつあると関係者は言います。 それは、道路政策を話し合う有識者審議会「国土幹線道路部会」で以前から高速道路の車種区分について検討されていて、1989年から変わっていない車種区分を見直そうという動きが出てきていることだそうです。 その背景には、この30年で軽自動車と小型自動車が大きく重くなり、総排気量や車両重量が増加し、さらに重量が重い電気自動車やハイブリッド車も普及。これらの点で、「軽自動車等」に含まれる自動二輪車と軽自動車との差も拡大しているということがあるそうです。 確かに、安全装備の充実などで乗員含め700kg~1トン程度になった軽自動車と、乗員込みでも200~350kg程度の二輪車では大きな重量差が生まれています。また、バッテリーを大量に積載する電動車(普通車)は同クラスのガソリン車よりも200~500kg重いとされ、道路の損傷云々の観点から電動車の高速料金が普通車と同じでいいのかという議論もあるようです。 そこで、国土幹線道路部会は、利用の変化を踏まえ、「普通車から大型車・特大車までの車種間の不公平感が生じないような区分とすることが重要」と答申しており、これに基づき海外の例も考慮しながら今後見直しがなされる見込みとのこと。その際に、現在の「軽自動車等」の区分から「二輪車」という独立した区分ができる可能性があるらしく、その際に料金も二輪独自のもの(普通車の半額になる?)が設定される見込みと言います。 そして、どうもその車種区分改定は、今年中~来年にも決定する可能性があり、それも踏まえて国交省はいま二輪の高速料金を大幅に改定するのをためらっているのではという見方があるようです。 とはいえ、業界側もさらなる高速料金改定への動きを止めることはなく、前出の吉田会長によると来月には自民党オートバイ議連二輪車問題対策PTが開催予定とのことで、そこで改めて二輪車の高速道路料金についても議論が交わされることでしょう。