【普通車の半額】バイクの高速料金割引、距離条件が20km短縮され申し込みも少しだけ便利に……〈多事走論〉from Nom
相変わらず手続きが面倒なのは利用してほしくないから?
4月1日からバイクでの主要高速道路の料金が割り引きになる「ツーリングプラン」、4月6日からは「定率割引」がスタートする。とはいえ、まだまだバイクユーザーたちが望んでいた形になっているとはいいがたい。 【写真】二輪車定率割引の対象区間ほか
定率割引が片道100kmから80kmに……匍匐前進だが半額への道に一歩近づいた!
普通車の半額を目指して業界、各党のオートバイ議連が要望を続けているバイクの高速道路料金の是正。 車重の軽さ(=道路への攻撃性が低い)、乗車定員が最大2名である、道路専有面積の小ささなど、誰がどう考えても普通車より、さらにバイクと同料金の設定になっている軽自動車よりも安くなってしかるべき高速道路料金が、根本的な是正がされないまま年月が過ぎています。 その間、料金の是正=普通車の半額(軽自動車の8分の5)が適正だとする要望側と、値下げしたくない国との間で丁々発止のやり取りが行われてきて、2017年にはETC車限定で土日・祝日に普通車の半額料金になる「ツーリングプラン」が導入され、さらに2022年4月1日からは土日・祝日ETC車は普通車の半額料金になる「定率割引」が導入されました。 とはいえ、ツーリングプラン/定率割引ともに事前に面倒な申し込み手続きが必要だったり、自分の走りたいルートが用意されていなかったり(ツーリングプラン)、片道100km以上の走行が必要だったり、土日限定だったり(定率割引)とどちらも使い勝手に難ありでした。 この件について、自民党オートバイ議員連盟の座長である三原じゅん子議員にインタビューをした際には、「普通車の半額は、ライダーの要望の1丁目1番地。必ず達成します」と力強くおっしゃっていただき、期待を膨らませていました。 また、昨年の11月には公明党オートバイ懇話会が二輪業界の要望を聞く場が設けられ、そこで業界側から定率割引の3つの問題点を解消して欲しいとの要望が行われました。 3つの要望の内容は、①必要とする走行距離の低減(100kmの撤廃、あるいは30kmへの低減)、②土日・祝日は普通車も休日割引があるため、実際の割引率が普通車の半額になっていないことの解決(割引率はわずか7.5%)、③GWやお盆などの大型連休中の平日も割引の適用日にして欲しい、というものでした。 この3つの要望を受けた国交省の担当者は、「現在、定率割引の利用状況のデータを分析中で、みなさまのご意見を聞いて来年度(2024年度)以降について考えていきたいと思う」と述べ、2024年度からの改善に期待を持たせました。 その後、今年の2月に自民党オートバイ議連会長の相沢一郎議員と話をする機会があり、定率割引について逢沢議員も「いつでも普通車の半額が最終目標。適用される走行距離ももっと減らさないといけないと思っている」とおっしゃっていました。 そんな状況の中、2月29日にオートバイ政治連盟の吉田純一会長が、斉藤鉄夫国土交通大臣に定率割引の条件緩和を求める要望書を提出。結果的に、この要望の中にあった「100km以上の走行距離の撤廃」という項目について、100kmから80kmへの20km低減という前進があったということです。 吉田会長に話を伺うと、斉藤大臣はこの要望に対して非常に歯切れが悪い反応で、国交省から相当プレッシャーをかけられていた様子だったと言います。どうしても現状維持をしたい国交省の強い意思が働いていたのでしょう。 とはいえ、3月15日に斉藤大臣自ら100kmから80kmへの走行距離の低減、またこれまで1日ごとの申し込みが必要だったのに対し、2024年は2日または3日間の連続利用の際も1回の申し込みで利用できるようになったことを発表しました。