学校事務職員が523万円横領 死亡後、残したメモで発覚 佐賀県白石町
白石町教育委員会は30日、町内の小学校の学校事務職員の男性が523万円を横領していたと発表した。今春から半年間に校納金などの預金を約50回下ろしたが、業者に支払っていなかった。男性は今月3日に死亡、横領したことを伝えるメモを残していたことから判明した。 町教委によると、男性は4月下旬から亡くなるまでの間に、校納金や職員会計など十数通の通帳から約50回にわたって数百円から20万円ぐらいを引き出し、523万8910円を横領していた。教材費などの支払いとして校長の決裁、押印を得て引き出していたが、業者に支払っていなかった。 男性は2023年3月に定年退職し再任用されていた。横領を記録した付箋をつけた通帳と校長らにおわびするメモを残し、自宅で死亡した。62歳だった。横領額は遺族が全額弁済した。使途は分からないという。10月は2学期制の前期が終わり、年に2回行う引き出しと領収の照合確認の時期だった。 町役場で記者会見した北村喜久次教育長は「極めて重大な信用失墜行為。心よりおわびする。信頼回復に教委、学校を上げて取り組む」と謝罪。照合確認を月1回に増やし、複数で行うことを徹底する再発防止策を説明した。警察への告訴については「本人が死亡しており、全額弁済されていることを考慮してしない」とした。(小野靖久)
小野靖久