春から休校の薩川小で卒業式 瀬戸内町
児童1人が卒業を迎えた鹿児島県瀬戸内町の薩川小学校(小牧正孝校長)の第71回卒業式は22日、同校講堂であった。保護者・親族や地域住民など約60人が出席し、中学生になる木下心夏さんの門出を祝福した。唯一の在校生で弟の丞二君(3年)も4月から姉と一緒に伊子茂小中学校へ転校するため、24年度以降、同校は休校となる。 薩川小は1907(明治40)年創立。校区は薩川、芝、実久、瀬武、木慈の5集落で構成される。キャッチフレーズは「やる気 元気 笑顔いっぱいの薩川小」。 木下さんは同校862番目の卒業生として卒業証書を受け取った。小牧校長は式辞で「中学校ではいろいろな困難や迷いが出るかもしれないが、そんなときこそ成長のチャンス。夢に向かってチャレンジして」と激励。児童らによるお別れの言葉や合唱の後、学校生活の様子を映した写真や動画も紹介し、6年間の思い出を振り返った。 校歌斉唱では地域住民らも一緒に歌詞を口ずさみ、涙を流す人の姿も見られた。最後は教職員らが木下さんを花道で見送った。 木下さんは「先生たちが優しくてのびのびと過ごせた。中学校では友達を作りたい」と笑顔。丞二君は「(転校は)ちょっと寂しいけど、同級生ができるのが楽しみ」と話した。