民有護岸修繕に29億円 和倉温泉の市取得分0・6キロ 七尾市12月補正予算案
七尾市は26日、市議会に一般会計129億3635万円の12月補正予算案を内示し、能登半島地震で損壊した和倉温泉の民有護岸の整備費29億1千万円を盛り込んだ。複数の旅館から護岸計約0・6キロを「公共帰属」させる形で無償取得し、年明け以降に整備に取り掛かる。 民間と行政の所有者が混在し、旅館修繕の足かせになっていたが、県も12月補正予算案に民有護岸約1・2キロの復旧費を盛り込む見込み。震災前と同じ位置と高さで2026年度中に修繕が完了し、市役所で会見した茶谷義隆市長は「旅館再建が加速して和倉復活につながる」と強調した。 ●累計は2・17倍 奥能登豪雨の復旧費など今年度一般会計1億3969万円を10月9日付で専決処分した。当初からの累計は前年同期の2・17倍となる731億1746万円で、このうち復旧・復興関係予算は416億5270万円に上った。 被災小中学校の復旧費として3億5210万円が盛り込まれ、茶谷市長は「全校舎の復旧費が予算化され、復旧にめどがたった」と述べた。地域コミュニティー施設再建の補助金を市独自で上乗せし、補助上限額を1200万円から1400万円に引き上げる。 市営小丸山住宅で建設する災害公営住宅の実施設計、田鶴浜小の解体工事などで計13億4225万円の債務負担行為を設定した。 主な新規、拡充事業は次の通り。 ▽砂利敷きの仮設住宅駐車場のアスファルト化と駐輪場の整備費7669万円▽和倉温泉配湯管復旧支援費1468万円▽公費解体の業務委託・仮置き場運営など災害廃棄物処理費63億2200万円