「過労死防止法」で過労死は防げるのか? 法案の意義や内容は
法案作成に携わった議員の思い
薗浦議員は過労死防止法のほかにも、社会保険労務士法改正、女性活力推進法など、雇用政策に関する議員立法を進めています。薗浦議員はこう言います。 「人を切り捨てにして、企業の論理で、企業の利益だけを追求するのは間違っています。資源のない日本では人材こそが一番の宝です。それを大切にしないで、産業力を高めることはできません。政治にできることは自立しようという人を支援すること。自助を基本とした共助、公助の仕組みをもう一度考えていかなければなりません」 2002年にはOxford English Dictionary Onlineに「karoushi(過労死)」が英単語として登録され、国連の社会権規約委員会は2013年に長時間労働などが原因の過労死や自殺について、日本政府に懸念を示し、対策を講じるよう勧告しました。勧告文にはこうあります。 「委員会は、締約国による雇用主の自発的行動を促進する措置はとられているものの、相当数の労働者が過度に長い時間労働を続けていることに懸念をもって留意する。また、委員会は、過重労働による死及び職場における精神的嫌がらせによる自殺が発生し続けていることに懸念を表明する。(第7条)」(外務省仮訳) 法案が成立すれば、過労死を防止するための体制を整えることができ、過労死防止のための第一歩を踏み出すことができるといえます。建設的な議論や提言がなされていくことを期待したいものです。