『フェアリーテイル2』TGS試遊版レビュー。原作アニメを忠実に再現したビジュアルと“キャラゲー”の枠には収まらないゲーム性の高さに注目!【TGS2024】
2024年9月26日~29日に千葉県・幕張メッセで開催されている東京ゲームショウ2024(TGS2024、26日、27日はビジネスデイ)。ここでは、コーエーテクモゲームスブースで出展されている、2024年12月12日にNintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、PC(Steam)で発売予定の『FAIRY TAIL2(以下、『フェアリーテイル2』)』試遊版レビューをお届け。 【記事の画像(24枚)を見る】 原作アニメの魅力とゲームの奥深さの両立を目指した意欲作! 本作で展開する物語は、原作アニメにおけるクライマックスだった“アルバレス帝国編”。主人公のナツたち、ギルド“妖精の尻尾(フェアリーテイル)”の面々が暮らすフィオーレ王国を舞台に、さまざまな戦いがくり広げられていく。 今回の試遊では、バトルのチュートリアルも兼ねたアジィール(強敵“スプリガン12”のひとり)とのバトルから、序章最初のイベント“子どもを助け出せ”の達成までをプレイすることができた。 導入部分はイベントシーンから始まる(スキップも可能)。真島ヒロ先生の描くキャラクターとトゥーン調のグラフィックとの相性のよさは前々から感じていたが、原作アニメの世界をそのまま再現したかのようなクオリティーで、自由行動が始まる前から気分をアゲてくれる。 セリフもフルボイスで、物語をじっくり楽しみたい人にはうれしい仕様。 イベント(マカロフ救出後の逃亡劇)後は、さっそくバトルへ。チュートリアルもあるので、いきなりでも大丈夫。リアルタイム進行のコマンドバトル(アイコン選択式)となっているが、基本操作自体はシンプルで序盤のうちは困ることはなさそうだ。ハデな演出も随所に盛り込まれているわりにはテンポも悪くなく、とっつきやすさを感じた。 一方で、敵味方ともに大ダメージにつながる複数のゲージが設定されていたり、属性の相性も存在したりしているなど、バトル中に処理しなければならない情報量や使用するボタンの種類は多め。ある程度ゲームに慣れた人は問題ないと思われるが、物語が進んでゲームの難度も上がってくると、プレイヤーの技量によってはやややりづらさを感じるかもしれない。 指示通りの攻撃を行い、ある程度ダメージを与えるとチュートリアルは終了。序章の舞台、マグノリアへと移行する。操作するキャラクターはルーシィになるが、外に出るとほかのメンバーにも切り替え可能に。そして、街を自由に歩き回って宝箱を開けたり、妖精の尻尾のメンバーや街の住人と会話をしたりしながらイベント発生ポイントへ。 会話イベントの後、すぐにバトルへ。同一マップ内ではフィールド移動からバトルの移行がシームレスかつ非常にスムーズ。昔のキャラゲーにはありがちだった作りの荒さはなく、快適なプレイができるようにきちんと作り込まれている印象だ。 なお、初回のプレイでは丁寧にボイスを全部聴いていたら、ここでもう試遊時間の20分が経ってしまった。皆さんが試遊される際は、ゲームのシステムやアクションを楽しみたいなら涙を飲んでセリフは製品版のお楽しみにしておくことをオススメする。 というわけで、もう一度やり直して今度はサクサク進めていく。 本作では原作アニメのクライマックスがモチーフとなっていることもあって、最初からメンバーがほぼ勢揃いしているのがうれしいところ。序章でもエルザやグレイ、ジュビアといったメンバーがここでのイベントから加入してくれる。 リザードガーディアンを退けたナツたちだったが、なんと商人の息子がリザードガーディアンにさらわれてしまう。続いては子どもを助け出すために、森の探索に挑むのである。 森の中は敵がウヨウヨしておりこちらを見つけると襲いかかってきて、接触してしまうとバトルに突入する。敵が見えているので、全部避けながらでも進んでいけるのだが、画面情報によるとクエストクリアーのための適性ランクは7。現在のランクは4なので、少しは戦ってランクを上げておく必要があるということか。ありがたい情報である。 またバトルでは、敵の弱点となる属性のスキルに“WEAK”と表示される。さらにこちらがターゲットにしている敵には青い線が、敵に狙われているキャラクターには赤い線が表示される。これもありがたい機能だ。 道中には“フィールドアタック”で破壊できるオブジェクトも出現する。アイテムの入ったツボなどだけでなく、道を塞ぐ障害物などもあるようだ。また、バトル後などどちらへ進めばいいのかわからなくなったときのために(方向音痴あるある)“導きの痕跡”という機能もあって、使用するとつぎの目的地への道しるべが表示される。またしてもありがたい。 歩いている最中には、仲間との会話“フィールドツイート”も頻繁に発生する。ファンにとっては、こういう要素はありがたい(3度目)。 なおマップは広く、自由に歩き回れるようになっている。もっとも、オープンワールドとは違いある程度のところで限界が設定されていて、またファストトラベル機能もあるとのことなので、移動でわずらわしさを感じることはそれほどなさそう。ジャンプ力はもうちょっとあってもいいかなとは思ったが……。 さらに奥に進むと、妖精の尻尾の仲間ガジルと合流するイベントがあり、さらに成長要素である“魔法源(オリジン)”が使えるようになる。本作では、レベルアップで得たオリジンポイントを使ってこのオリジンを開放していくことで、新たなスキルの獲得をするようだ。 その奥には“焚火の跡”を発見。ここでは、仲間との会話イベントなどが楽しめるようだ。 ここまででもかなり要素が詰め込まれた体験版だが、もうひとつボス戦も待っている。ここでは、バトルのチュートリアルの総仕上げといった感じの内容となっており、多数の敵相手に強力なスキルを決める爽快感が味わえた。 試遊でありながらかなりの要素が詰め込まれているため、すべてに気を配って使いこなすのはなかなかたいへんだとは思いつつも、敵が攻撃してくるのが見えたらガードをすること、こちらのゲージが溜まったらすぐに通常攻撃→スキルのコンボを決めること、そのあたりを忠実に守っていれば問題なさそうだ。 原作アニメの雰囲気を忠実に再現しながら、ゲームとしての独自のおもしろさも追求している本作。手触りはかなりよかった。今回は“クライマックス”が舞台であるだけに、序盤からほぼフルメンバーが揃っていたり、バトルにおいても処理しなければいけない情報が多かったりと、ゲームプレイのハードルを高くしてしまいがちな要素が多い点は少し気になったが、物語が進むにつれていい方向に昇華していくのだろうし、そこは期待もしたいところでもある。キャラゲーという枠にはまったく留まらないこの作品、発売まで注目していきたい。