「僕の名はユウゾウ」偽名を名乗るデーブを「怪しい人」だと思った京子スペクター デートの誘いを10回も断り続けるも結婚に至った理由を今語る
京子さん:つき合い始めるのは、さらに1年くらい後のことです。私が一時帰国から戻ったのが、アメリカの感謝祭の頃。感謝祭は家族が集まるお祭りで、現地に家族を持たない私は「寂しいな、誰かを誘おうかな」と考えていて。そこで思い浮かんだのがデーブでした。 彼に電話をすると「友人と一緒にいるから、君もおいで」と呼んでくれて、3人で食事をすることに。この頃から「この人、いいかも」と感じるようになっていったんです。
■レストランではいつも安いものをオーダー。その理由は… ── デーブさんのどのようなところに惹かれていったのでしょうか。 京子さん:誠実なところです。当時、高額な給料をもらっていたわけではないのに、常に私にいいものを食べさせようとしてくれました。レストランに食事に行っても、私にいいものを注文し、自分は安いメニューをオーダーするんです。「どうして同じものを食べないの?」と聞いたところ、彼は「その料理は嫌いなんだ」と返答。しかし、おつき合いをスタートさせてから、同じメニューを食べている彼の姿を見て「嫌いなわけではなかったんだ」と理解しました。
ほかにも、自分の買い物はしないのに、私へのプレゼントを買うことはしょっちゅうで。そんな献身的な姿を見ているうちに、心が惹かれていきました。 ── デーブさんからの愛情が伝わってきますね。当時「結婚相手」に求める条件はありましたか? 京子さん:結婚する人に求める条件は、「日本語がうまいこと」と「日本文化を理解してくれること」でした。たとえば、納豆などの日本食に対して、「くさい」と敬遠する人は一緒に生活していてストレスになるはず。そういう面でも、デーブは寛容でしたし、「日本の文化を理解したい」という意思が伝わってくる人でした。
現在、結婚して40年以上が経ちますが、彼の姿勢は変わりません。彼はいつも「私がハッピーで楽しく過ごしてほしい」と話し、誕生日やクリスマスなどのプレゼントも欠かしません。私が雑誌を見て「これ素敵ね」と言っていたものを覚えていて、記念日に買ってきてくれたり。そういう思いやりや気づかいがとても嬉しいです。