定年後に「2000万円」の住宅ローンは危険ですか? 今年定年ですが、65歳までは再雇用で「年収300万円」です。今からでも老後を「持ち家」で過ごしたいです…
定年が迫ってくると、リタイア後の生活について考える機会も増えますよね。都心を離れて郊外のコンパクトな一戸建てでゆっくりしたい、アクセスの良い都心にマンションを購入して車を手放したい、などニーズはさまざまです。 住宅購入の際、ほとんどの人が一度は検討するであろう住宅ローン。本記事では、60歳で住宅購入する際に組める住宅ローン額の目安と注意点について解説します。 ▼住宅ローンは「繰上げ返済」すべき? メリットについて解説
60歳で住宅ローンを組める?
定年を機に家を建て替える、高齢の両親と近居する、利便性の良い都市部のマンションを購入するなど、リタイア後に住宅を購入するニーズが増えています。それに対応して、金融機関の多くは住宅ローンを組める上限年齢を引き上げ、60歳以降の人も住宅ローンが利用できるようになってきています。 ただし、高齢者のローンは、現役時代よりも収入が下がる、返済途中で亡くなってしまうなどのリスクが若い世代に比べて高く、審査が厳しくなります。 例えばフラット35では次のような条件があります。 ・申込時の年齢が70歳未満 ・借入期間の上限は、10年以上かつ80歳-申込時年齢 ・年収400万円未満の場合、年収に占める年間合計返済額の割合が30%未満 60歳の人であれば、最長20年間が住宅ローンを利用できる借入期間になります。また再雇用後の年収が300万円の場合、年間返済額は90万円未満、毎月返済額7万5000円未満です。
60歳で住宅ローンを組むならいくらまで?
前述のフラット35で、具体的にいくらまで住宅ローンが組めるかを試算してみます。 ・60歳・再雇用後年収300万円の場合 2024年1月現在の、フラット35での最頻金利は1.39%です。借入期間20年間の場合、借入できる金額は最大1570万円、毎月返済額は7万5000円となります。仮に同条件で金利が0.5%まで低下しても、借入できる金額は約1700万円となり、2000万円の借入は難しい結果となりました。 一方、ARUHIの調査で、60代の住宅購入者と住宅購入を予定している人に頭金について聞くと、1000万円以上用意した人が約60%でした。60代の住宅購入者の平均額は約3228万円で、住宅ローンの借入金額の平均は約587万円です。 60代以降の住宅購入者では、退職金や相続したお金、現居を売却したお金などを充てて住宅ローンを組まずに購入する人が多いようです。