【巨人】4位石田充冴、トイレでダルビッシュと遭遇「声をかけて良かった」激励の言葉もらう
巨人ドラフト4位の北星学園大付・石田充冴(じゅうざ)投手(18)が20日、札幌市内のホテルで仮契約を結んだ。契約金4000万円、年俸600万円(金額は推定)。水野スカウト部長は「(ドジャース)大谷のような、スケールの大きな選手に」と最速149キロの192センチ大型右腕に期待を寄せた。 偶然すらも、大物感が漂う。メディカルチェックで東京に向かう直前の新千歳空港のトイレで手を洗っていると、目の前の鏡にダルビッシュ有(パドレス)の姿が映った。すぐさま振り向き「巨人から4位で指名された石田です」とあいさつ。「おっ、頑張れよ!」と、激励の言葉をもらった。「声をかけて良かった」と、幸先の良いスタートに顔をほころばせる。 父威仁さん(50)は「僕は、現代版の“星一徹”だったと思う」と話す。自宅の駐車場を200万円以上かけて屋内練習場に改装。平日は帰宅後、週末は少年野球の練習後に、個別特訓を行った。石田が小学生のころ、3キロあるメディシンボールを「(約4メートルの高さの)天井に当てるまで投げ続けなさい」と父に指示され、泣きながら1時間以上続けたこともあった。 母明子さん(47)は「スポーツをするなら、背が高い方が有利」と考え、息子をサポートした。道で身長の高い人を見かけると必ず声をかけ「何を食べて大きくなりましたか?」と尋ねた。「キュウリ」と返事があれば、しばらくは食卓にキュウリが並んだ。「(平均身長の高い)オランダ人はジャガイモが好き」と知ると、オランダからジャガイモを取り寄せ、「息子の口に入れた」(明子さん)という。「全く科学的根拠はありませんが、背を高くするためには何でもしました。何が良かったのかは、全く分かりませんが」と苦笑いする。 最初の背番号が、“ミスター巨人”長嶋茂雄氏(88)が監督時代につけた、90番というのも、大物にふさわしい。「90番といえば石田と思ってもらえるような選手になりたい」(石田)。漫画「北斗の拳」で、勇猛果敢にラオウに挑む“雲のジュウザ”から名付けられた男は、「巨人の星」に向け、一歩を踏み出す。【中島洋尚】