朝バナナ、集中力が続かない…「ワンパターン朝食で疲れやすい人」の特徴と対策
4月も半ばを過ぎ、新年度の疲れを感じ始めている人も多いかもしれません。気力が続かず、「早くも5月病かも」という声も聞こえてきます。とはいえ、ゴールデンウィークに向けて、まだまだがんばりが必要な時期です。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、疲れを感じやすい人におすすめの食薬習慣と、NG習慣を教えてくれます! 【画像】朝バナナは実はNG?「ワンパターン朝食で疲れやすい人」のNG習慣をまとめた画像はコチラ
いつもの朝食、じつは間違っているかも…
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 262 GWまであと少しですが、そろそろ新生活の疲れが溜まってきていませんか。とくに環境が変わっていないという人も、4月は疲れやすいですよね。疲れやすいということは、朝もつらいし、集中力も続かないし、睡眠の質も悪いという状況になっていることが多いと思います。なんだか言葉を羅列するだけで憂鬱になりそうですね。 一方で、今年のGWは大型連休になる人も多いので、心待ちにする気持ちも大きいはず。ですが、その前までに終わらせなければならない仕事や出かける準備などで疲れてしまい、効率よく動くことができないと、焦りと疲労ばかりが蓄積していきます。さらに、GWに入ってからも旅行や帰省など体力のいる移動やイベントが待ち受けている人は、今から疲れ果ててしまっていると、せっかくの楽しみもバテバテで、休み明けに5月病に突入してしまう可能性もあります。できるかぎり、その日の疲れはその日のうちにリセットしていきたいですね。 ということで、今週は疲れやすさを何とかしたいという人のための食薬習慣を紹介していきます。 今週は、疲れやすくなっているときの食薬習慣 朝起きて「あー疲れた」、仕事を始めてすぐ「休みたい」、どこかへ出かけても「もう帰りたい」…気力がマイナスになってしまうことってありますよね。誰にも急かされず、時間も無限にあり、周りの人のことも一切考える必要がないのであれば、ぐーたらしていたいですが、そういうわけにはいきません。特に4月のGW直前は、気力を充実させ、テキパキ動きたい時期だと思います。 漢方医学では、疲れやすい状況を『気虚』といいます。とくに食事のバランスや食べるタイミングが乱れていたり、欠食することが多かったり、胃腸に負担がかかるような食事のとり方をすることで『脾気』が不足して疲れていることがあります。また、寝ても寝ても寝足りない感じがしたり、忍耐力が足りないと感じるときには、ストレスや睡眠不足により副腎が疲れてしまい『腎気』が不足して疲れていることもあります。 ということで、今週食べるとよい食材は、『腎』や『脾』の働きを助け、『気』を充実させる【手羽先ともち麦の参鶏湯風】がおすすめです。 そして逆にNG習慣は、【朝はバナナだけ】ですませる食習慣です。 食薬ごはん【手羽先ともち麦の参鶏湯風】 『腎気』や『脾気』を補う手羽先をよく煮込んで作る簡易参鶏湯です。具材に『腎』の働きを助けるきくらげや『補気』をサポートするニンニクや生姜、ストレスの改善に役立つ大葉などを使って疲れを吹き飛ばしましょう。さらに、お米の代わりにもち麦を使うと血糖値の急上昇を抑えたり、腸内環境を整える働きもプラスできます。 <材料> もち麦 100g 手羽先 6-8本(1パック) ニンニク 2片(スライス) 生姜 2片(千切り) 水 700ml きくらげ お好みで 醤油・酒・みりん 各大さじ1 塩 お好みで 大葉 お好みで <作り方> 材料を30分以上よく煮込んでトロミがついたら、大葉を添えて完成。 NG行動【朝はバナナだけ】 朝は時間がないし、何も食べないと頭も働かないし、糖分がとれて、腸活になるバナナは最高! と考え、朝食はバナナだけで済ませるという人は多いかもしれません。バナナは、糖分や食物繊維、ミネラルなども摂ることができていいと思います。ですが、疲れやすいとお悩みのかたは、朝にタンパク質の摂取も同時に行うことがおすすめです。疲れにくい体づくりや睡眠の質を向上させるためには、十分なタンパク質の摂取が必要不可欠だからです。 焼きバナナにきな粉をかけたものとゆで玉子を食べたり、バナナと納豆とツナサラダを食べたりと、ひと工夫加えてみるのはいかがでしょうか。朝食は、毎日似たようなものを繰り返すかたがほとんどです。毎日繰り返しやすい食事内容が時間をかけて体調や体質に大きな影響をもたらします。疲れやすい体質を改善したいと考えるときには、パターン化してしまっている朝食の見直しをしてみてはいかがでしょうか。 4月はあっと言う間でしたね。変化が多い時期は、過ぎるのを早く感じます。日々の生活は忙しいと思いますが、忙しい時ほど、食事の時間だけでもご自愛食でケアしてあげてみてはいかがでしょうか。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。 ※食薬とは… 『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。 近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。 ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。 Information <筆者情報> 大久保 愛 先生 漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。 公式LINEアカウント@aika ©Anastasiia Neibauer/Adobe Stock
大久保 愛