スズキ「アルト」に「ワゴンR」のターボエンジンを移植! 軽カーで争う「東北660ターボGP」でクラス首位の車両のチューニングポイントとは
NAのHA23アルトにK6Aターボをスワップ!
新規格軽自動車によるレースとして人気の「東北660シリーズ」。ターボ車だけで争われる「ターボGP」にスズキ「アルト」で参戦するベテランドライバーを紹介します。こだわりを投入しているマシンメイクの秘密とは? 【画像】ワゴンRから移植したターボエンジンなど、大柴さんの「アルト」のこだわりポイントを見る(11枚)
数年の参戦休止を乗り越え再びエントリー
極端なパワーアップは耐久性が低くなりそうで心配、チューニングより走り込みにお金を多く使いたい。しかしノーマルよりもう少しだけ力強さが欲しい。そんな人に最適なのが「東北660ターボGP」の2クラスだ。 2クラスは1クラスと同じく社外タービンへの交換が認められているが、ハイフローなど小さめのタービンに限られており、パワーも無制限の1クラスに対して100psが目安とされている。純正タービン限定の3クラスがマンネリ化した人や、ワンランク上のパワーが欲しくなった人を対象とし、コストと速さのバランスに優れたクラスといっていい。 そんな2クラスで活躍するドライバーのひとりが、今シーズンの開幕戦で優勝を遂げた大柴泰我さんだ。以前は新規格NAの「東北660選手権」にエントリーしていたが、数年間の休止を経てターボ化した愛車のHA23型スズキ「アルト」で復活。満を持して再デビューした彼のマシンメイク、そして今後の目標などをインタビューした。 以前から何かしらのレースに出たいとは考えており、そんなときにSNSで東北660シリーズの存在を知ったという大柴さん。HA23アルトのカタログモデルにはNAしか存在しないが、ワゴンRなどには同じエンジン型式のターボ仕様があり、載せ替えてターボGPに参加している車両は昔から多い。 「フォレストモータース」で製作した大柴さんのアルトも同じ手法で、タービンはノーマルからFTB06MFのA/R6.5に交換した。制御は書き換えた純正ECUにサブコンを組み合わせ、レギュレーションが定める100ps以内に収めている。 2024年3月に行われた開幕戦では予選こそ2番手に甘んじたものの、決勝はL802S型ダイハツ「オプティ」の舟山 康選手を破りトップでチェッカーを受けた。復帰戦を最高の形で締め括った大柴さんはさらに上を目指し、第2戦ではインタークーラーを前置きに変更すると同時に、タイヤをインチダウンすることでギヤ比の最適化を狙った。 また作戦面では終盤までタイヤとブレーキを温存しながら、後続車に追い付かれた際はペースを上げて引き離しにかかり、逆に追う立場なら隙あれば抜く余力を持たせるようにした。
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