【東京大賞典】1番人気・フォーエバーヤング、力の違い見せつける「今回は8割程度かな」目標はサウジカップ、ドバイワールドカップ
◇29日 「第70回東京大賞典」(G1・大井・ダート2000メートル) 断然の1番人気に推されたフォーエバーヤングが直線で力強く抜け出して完勝。10月のジャパンダートクラシックに続き、Jpn13勝目を挙げた。勝ち時計は2分4秒9。同馬を管理する矢作芳人調教師(63)=栗東、坂井瑠星騎手(27)=栗東・矢作=ともに当レース初勝利。2着は1馬身¾差で、好位から脚を伸ばしたウィルソンテソーロ。さらに首差の3着にはラムジェットが入った。 3歳にして世界を股にかけるフォーエバーヤングが国内初となる古馬を相手にまざまざと力の違いを見せつけた。レース後、この日を含めキャリア9戦全てでコンビを組んできた坂井瑠は納得の表情。「正直、前回がすごく状態が良く、今回は8割程度かなと。これで無事に年が越せます」と言葉を弾ませた。 「4コーナーでは勝つだろうと思いましたが、ハラハラしました」。藤田晋オーナーの感想が代弁するように、決して簡単な相手ではなかった。先に世界を取ったウシュバテソーロをはじめ強豪ぞろい。それでも「米国で鍛えたスタートを見せてくれて理想としていた2番手で進められました」と矢作芳師が語ったように、難なく作戦通りの形に持ち込むあたりが非凡なセンスだ。これでリズムを作ると4コーナーで早めに手が動いたものの、直線は気迫の右ステッキに鋭く反応。上がり3ハロン最速36秒5の豪脚で見事に勝利をつかみ取った。 「ロケットスタートでした。負けないとは思いましたが、よくしのいでくれました。来年は世界のチャンピオンに」。力強く言い放った鞍上には、近い将来のビジョンが明確に浮かんでいるかのようだった。今後の目標は来春のサウジカップ(G1・2月22日・キングアブドゥルアジーズ競馬場・ダート1800メートル)、ドバイワールドカップ(G1・4月5日・メイダン競馬場・ダート2000メートルメートル)。世界の頂点はもうすぐそこだ。
中日スポーツ