消滅可能性自治体=ダメな自治体? 小林史明議員「行動変容を促すのは“恐怖を煽ること”ではない」 “ボトルネックは結婚難”と主張の笠間市長「国が動かないと進まない」
さらに、「地域のカルチャーなどによって女性の自己実現を認めない地域は、どんどん人口が流出する。逆に、小さな自治体でも応援している所には残る。そうした工夫の仕方を考えるべきだ」との考えを示した。 フリーアナウンサーの柴田阿弥は、地方の閉塞感を実感しているという。「同世代の男性からは『女の子なのに出世したいの?』、高齢の男性からは『女が意見するな』などと言われる。こうした雰囲気を自治体で変えられるイメージができない。東京は家賃も物価も高いのに人口が多いのは、そういう背景があるのではないか」と問いかける。 山口氏は「女性を転出させないためには、『多様性ある自治体』の考え方が必要だ。男女ともに働き方がしっかりしていて、どんな産業でもチャレンジでき、起業もできる。そういう環境づくりが女性の定住促進のひとつだ」と答えた。
■山口氏「結婚難は国が動かないと進まない」
ボトルネックとなっているのは結婚難で、「結婚難は国が動かないと進まない」というのが山口氏の持論だ。非正規化や給与の男女格差、低所得問題の解消など「経済面の支援」と、事実婚・夫婦別姓・同性婚といった多様化への対応など「制度・慣習面の変革」が背景にあり、自治体にやれることは限られると語る。 笠間市でも「15年前から見て、結婚件数が半減している」という。「自治体の少子化対策は、結婚後に子どもが欲しい、もしくは子どもができた夫婦に対して行われている。しかし、結婚観が変わり、結婚を望まない人が増えている。婚外子が日本で認められにくい中、価値観をどう理解してもらうかはなかなか答えが出ない問題だ」と苦悩を明かす。 小林氏が考える少子化対策は、「パートナー制度の法的担保」だ。「周囲で結婚したい、もしくは一度離婚してパートナーがいる同世代は多い。『もう1回結婚するなら子どもが欲しい』と思っても、今のパートナーと再婚すると相手側の家族が付いてくると尻込みしてしまう。離婚時の大変さを考えると、一緒に住むだけでいいのではとも感じるが、それでは子どもの権利が保護されないからと出産を諦める人もいる」。