新型コロナ感染者が全国拡大!気になる新変異株「XEC」も登場…どこまで警戒すべきか
また流行が本格化するのか。新型コロナウイルスの感染者が増えている。 厚労省は22日、全国約5000の定点医療機関から11~17日に報告されたコロナの新規感染者数が9406人で、1機関当たり1.90人だったと公表。前週比1.29倍で、約3カ月ぶりに増加に転じた。 コロナ後遺症…感染後の長引く症状すべてが後遺症とは限らない 岡山大が画期的な研究成果 滋賀、香川、愛媛、熊本、宮崎を除く42都道府県で増加し、北海道4.75人、岩手5.57人、秋田6.33人など北日本の増え方が顕著だ。寒さが影響しているとみられる。 気になるのが新たな変異株の登場だ。オミクロン株の変異株「XEC」が世界的に広がりつつあり、WHO(世界保健機関)によれば、欧州や米国などの他、日本からも報告があるという。東大医科学研究所の研究チームは、「XECは現在主流の『KP.3』よりも広がりやすく、過去の感染で得られた免疫から逃れる能力も高い」との分析結果をまとめている。 今冬のコロナはどの程度、警戒が必要なのか。 「これまでのワクチンが効かない感染力の強い新たな変異株が出てくるのは毎年のことです。慌てないで、手洗いやうがいなど予防策を講じてください」(医療ガバナンス研究所理事長・上昌広氏=内科医) 米国ではすでに3割がKP.3からXECに置き換わったという。 「KP.3もXECも、JN.1株の系統です。子孫株ですから、根本的に違う変異株ではありません」(昭和大医学部名誉教授の二木芳人氏=臨床感染症学) 昨年も11月半ばからコロナ感染者は増え出し、正月明けがピークだった。今季はインフルエンザ感染の立ち上がりが早く、コロナとインフルの同時流行(ツインデミック)の可能性もあるとされる。 「でも第一にコロナ対策です。死者数が10倍以上違いますから」(上昌広氏) 感染症法上の位置づけが2類相当から5類になって「コロナは風邪」みたいに軽く考えがちだが、実は5類になった昨年5月以降の1年間で、コロナによる死者数は3万2576人に上っている。同時期のインフル死亡者数2244人の約15倍だ。 「まだまだコロナは怖い病気です。『コロナは風邪』なんてとんでもない。65歳以上の高齢者は、10月から始まった定期接種で新しいタイプのワクチンを打っておいた方がいい。新ワクチンにはXEC株も入っているのでXEC株にも効くと思われます」(二木芳人氏) 手洗い、うがい、マスクといった感染対策はもちろん、コロナかなと思ったらすぐ検査。自分の重症化を抑え、他人にうつさないためにも、とのことだ。