ハミルトン、新天地フェラーリとの契約交渉で“多様性の推進”を重視「会長との話し合いで優先事項だと伝えた」
ルイス・ハミルトンは12年間というメルセデスF1在籍期間を通じて、モータースポーツにおける多様性と包括性を高める活動を行ない、次第にチームそのものを巻き込んでの取り組みとなった。2025年以降ハミルトンはフェラーリへ移籍するが、こうした活動は新天地でも継続するという。 【ギャラリー】ルイス・ハミルトン、全F1マシン(マクラーレン~メルセデス) ハミルトンはこれまで、自身が設立した“ハミルトン委員会”を通じてモータースポーツ界における多様性の欠如を訴え、メルセデスと共に多様なバックグラウンドを持つ人々にSTEM(科学・技術・工学・数学)分野へ進むチャンスを与えるため共同慈善団体“Ignite”を立ち上げた。 その他にもハミルトンは個人的な基金団体である“Mission 44”を通して、イギリス全体のSTEM教育従事者の人種的多様性推進に関する取り組みを行なってきた。 2024年限りでメルセデスを離れてフェラーリへ移籍した後、コース外でのプロジェクトはどこまで継続されるのかと尋ねられたハミルトンは、フェラーリのジョン・エルカン会長との話し合いの中で、多様性の推進が重要なトピックだったと答えた。 「もちろん、フェラーリを見てみると、やるべきことが沢山あるし、ジョンとの話し合いの中で既に、僕はそれが優先事項だと伝えた」とハミルトンは言う。 「彼らもそれに取り組むことをとてもワクワクしている」 ハミルトンは、自身の働きかけでメルセデスがより多様性に溢れた組織となったことについて誇りに思うと語った。 「まず、僕はメルセデスの中で行なってきたことをとても誇りに思っている。2020年以降、チーム内の多様性を向上させる上で僕らは大きな進歩を遂げた」 「例えば、人事部門では多様な人事グループがあって、それは僕がいなくなっても継続するだろう。そこは僕が誇りに思っているところだ」 「その点、僕らは他のどのチームよりも進んでいると思うけど、スポーツ全体としてまだ膨大な仕事が残っている。それについてはステファノ(ドメニカリ/F1のCEO)と常に話をしているし、F1にもっと協力したいと思っている」 Mission 44は2021年12月の創設以来、ハミルトン自身による700万ポンド(約13億3000万円)を含む1120万ポンド(約21億3000万円)の寄付を集めており、計2000万ポンド(約38億1000万円)の寄付を約束している。 Mission 44の活動初年度はイギリス国内の教育や雇用における様々な多様性への取り組みを支援するため、18の機関に助成金を授与し、今後は南アフリカ、アメリカ、ブラジルへの拡大を目指している。
Filip Cleeren