【過熱する中学受験のウラ側】「見ていて心配になる家庭」が多い"中学受験"のシビアなお金の話
子どもの学力や性格も見きわめて
――中学受験だけなんとか乗り切ったとしても、その先もずっと家計の負担が増えていきそうですね。安易に手を出すべきではないのかも……? そのことをわかった上で、うちは大丈夫!と見通しが立つ人は、中学受験をしていいでしょう。 第2子がいる、いないでも変わってきます。下の子がいる場合は、上の子と同じように中学から私立に通わせてあげられるのかどうかも考えておかなければいけません。そこは不公平にならないようにしたいですよね。 となると…… 子ども2人を中学から私立に入れたとしたら、下の子が大学を卒業するまでに単純計算で2000万円かかるわけです。でも、これは最小限。塾代や学費以外の諸費用を含めると1人1000万円ではとても収まらないはずです。 相談者さんが言うように「みんなそんなに高所得なの?」というのは本当に不思議なところで、私から見ても、大丈夫なのかな? と心配になるご家庭はけっこうあるんです。本来、ライフプランのなかで教育にどのくらいお金をかけられるかを、子どもが小さいうちから考えて決めておく必要があります。 それに子どもの将来のためにも、中学で私立に入れれば安心というわけではありません。お金のこともそうですが、子どもの学力や性格も見きわめてあげたいですね。背伸びをして入った学校でついていくのに苦労するよりも、身近な学校のなかで成績優秀でいるほうが居心地よく、楽しい学校生活を送れるかもしれません。必ずしも偏差値の高い中学校に入れることが、子どもにとっても家庭にとってもベストな選択とは限りません。 なにがなんでも“中学受験をするのが最善”と思い込まず、ちょっと目線を変えて、家計と子どもの未来を想像してみてください。
アドバイスしてくれたのは……山中伸枝さん
やまなかのぶえ/心とお財布を幸せにする専門家 ファイナンシャルプランナー(CFP®)、株式会社アセット・アドバンテージ代表取締役。米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業。「楽しい・分かりやすい・やる気になる」講演、ライフプラン相談、執筆と幅広く活動中。著書に『書けばわかる!節約・預金だけではもったいない わたしにピッタリなお金の増やし方』など。