冬の北陸路 車の冬支度は? 関東や近畿方面から北陸管内に入る一般ドライバーも必見
雪用ワイパー(ブレード) フロントガラスの視界の安全確保に
ワイパー(ブレード)を冬用に交換することもおすすめです。特にブレードが列車のパンタグラフのように骨組構造が外側から見えるタイプのものは交換をおすすめします。気温が氷点下の降雪時に、骨組みの隙間の水分が凍り付いて、フロトガラスの滑らかな曲面のRに沿って汚れを拭き取ることが出来なくなることがあり、正面の視界が極度に悪くなってしまうことがあるからです。最低限、運転席側だけでも、雪用ワイパー(ブレード)へ交換することをご検討下さい。
その他の必須アイテム 凍結しにくい濃度の高いウォッシャー液なども
イラストにあるものは、全て冬の北陸路の安全運転に欠かせない必須アイテムと言えます。その他、低温下でも凍結しにくい濃度の高いウォッシャー液、スノーブラシ、解氷材、防水タイプの保温手袋なども忘れずに装備しましょう。 また、冬期は燃料はこまめに満タンにすることもお忘れなく。冬期は車の燃料消費量が多くなります。万一、意図せず車両の立往生に巻き込まれたりすると、燃料の残が少ないことは即命取りになりかねません。 最後に、エンジン始動(システム起動)用のバッテリーの件、こちらは寒さに弱いので、劣化していないかもしっかり確認しておきましょう。これこそが大元の最も重要なチェックポイントかも知れません。
チェーン装着 慣れていない人は事前に装着練習を
雪道や凍結路面を走行する際、夏用タイヤ車の場合には必ずチェーンの装着が求められます。また、チェーンの装着は天気の都合で直ちに行う必要性が生じる場合もあります。この時、往々にして天気は荒れて、屋根はなく足元が悪いケースがほとんどです。周囲は勿論、手元も暗いケースもあります。 「1時間近く格闘して結局風邪をひいただけだった」なんてことにはならないように、慣れていない人は、短時間で正しく装着出来るように事前に練習しておくことをおすすめします。
その先の危険を予測しながら 直ちに危険回避できる安全速度で
・急のつく動作は厳禁です。早めのブレーキを意識しましょう。また、ふんわりアクセルも大切で、これは長い目で見て燃費の向上にもつながります。 ・車間距離は十分に保ちましょう。 ・車の屋根に多くの雪を残したまま走行しないようにしましょう。下り坂や急停止時にフロントガラス上で雪崩が発生、視界をふさいでしまうことがあり、大変危険です。ワイパーを無理に動かすとワイパーブレードの根元から折れるケースも。十分注意しましょう。 ・ブラックアイスバーンは特に注意しましょう。安全確認が運転席からだけでは十分できない場合には、外に出て路面を確認するくらいの慎重さが必要です。北陸の雪道や凍結路面で正常性バイアスによる「大丈夫だろう運転」は厳禁です。 ・橋の上やトンネルの出入口付近などは、周囲より気温が低くなりやすい所では局地的に凍結するケースがありますので注意して下さい。 ・降雪時、トンネル内から外に出る際は、路面状態が急変する場合があります。気温が急激に下がり、外に出た途端に、路面が乾燥から凍結に急変したり、積雪状態になる場合もあります。流れに乗った速度で走行することも大切ですが、前車との車間距離を十分保ち、危険回避できる安全速度でトンネル外に出ることも意識するようにしましょう。 ・路面に積雪が多く、「路肩が分かりにくい」「車道と歩道の境目が分かりにくい」場合は、頭上の矢羽根や地面付近に等間隔で設置してあるスノーポールを目印にしましょう。 ・前方を走行している車両がある場合には、その挙動にも十分注意しましょう。路面状況の急変を示すシグナルを発していることもあります。 ・北陸地方では能登半島地震の影響が残る中、人手不足もあり、復旧作業が追いつず、マンホールが飛び出たままの状態の所があったり、給水管の破損で融雪できなかったり、除雪が十分に追いつかない所もあるものと思われます。住宅街の細い路地など、対向車とすれ違う際は、譲り合いの精神でお願いします。
日本気象協会 北陸支店 河原 毅