東京福祉大の請求棄却、「金儲けのために留学生を大量に受け入れていた」は名誉毀損にあたらず 東京地裁
●田嶋氏に届いた教員からの手紙「自由に発言ができない」
大学側が「名誉毀損だ」として訴えた裁判で、大学側の運営体制に対する田嶋氏の批判的な内容がかえって「真実である」と認定される事態となった。 「大学への批判を続けてきた田嶋先生は、大学を解雇されたのち、裁判で勝って職場復帰を果たしたが、授業を担当させてもらえないという扱いを受けました。授業を担当させるよう再び争った裁判では和解したものの、また担当させてもらえず、損害賠償請求訴訟を起こされたという経緯があります。 また、田嶋先生の名誉を毀損する事件もあって、それはこちらから大学と名誉毀損行為をおこなった教員を提訴し、その裁判は今も続いています。我々は最初から違法性がない、勝てる裁判だと思っていましたけど、裁判所がきちっとそういう認定をしてくれるのか、請求すべてを棄却してくれるのか、若干心配の部分もありましたが、東京地裁は正しい判断をしてくれました」(指宿弁護士) 田嶋氏は会見で、2016年3月に開かれた学内の研修会で大学側に批判的な発言をしたあと、「今の大学の雰囲気では、体制に対して自由に発言ができません。本当は先生と直接コンタクトを取りたいのですがそれもできません」と書かれた手紙が他の教員から自宅に届いたというエピソードを手紙の中身と紹介しながら明かした。 「当時の学内の抑圧された雰囲気およびそれに反発して一人ひとりの言い分が通るような大学にしたい。大学の民主化に夢を見ている教員の思いが表れている手紙だと思います。私はもう東京福祉大の教員ではありませんが、親しかった教職員や学生、院生もいますので、そういう人たちのためになんとかしたいとの思いで裁判を続けてきました」(田嶋氏)
●東京福祉大のコメント
東京福祉大の担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、今回の判決について、「コメントを差し控える」と回答した。