12月FOMCのMinutes- Hold or ease more slowly
物価情勢の評価
FOMCメンバーは、インフレ率がピーク比でかなり減速したことを確認したほか、ほとんど全員(most)が価格上昇の減速が広範なコア財やコアサービスでみられる点を指摘した。 また、多く(many)のメンバーが、消費者は価格感応的になったため、企業が価格引上げに消極的になったと説明したほか、コアサービスの価格上昇率の高止まりは一部の非市場性のカテゴリーの動きによると指摘した。 もっとも、今後については、2%インフレに向けた持続的な動きを期待しつつ、通商政策や移民政策の変更による影響が持続的となる可能性を指摘したほか、全員(all)がそれらの内容やタイミング、影響に関する不確実性が極めて高いと評価した。なお、SEPに示された物価見通しでは、仮定的な想定を加味したメンバーと、考慮しなかったメンバーに分かれた。 その上で、数名(some)のメンバーは、経済成長が供給面の改善によるとして、経済活動の強さはインフレ圧力にならないとの見方を示した。その背景として、企業の価格決定力の低下、引締め的な金融政策、長期インフレ期待の安定を挙げた。同様に数名(several)のメンバーは労働市場もインフレ圧力にならないとした。
経済情勢の評価
FOMCメンバーは、幅広い指標が労働市場の緩やかな軟化との見方と整合的であると指摘した。具体的には、未充足求人の減少に加えて、離職率や失業者の再就職率、転職率の低下を挙げた。もっとも、幅広い(generally)メンバーは、レイオフが少ない点を挙げ、労働市場が急速に悪化する兆しはないと評価した。 今後については、幅広い(generally)メンバーは、金融政策の適切な調整の下で、労働市場の強さが維持されるとの見方を示した。もっとも、基調的なトレンドを把握することが引続き困難であるほか、労働市場の見通しには相当な不確実性を伴うことを確認した。 経済活動については、FOMCメンバーは力強く拡大している点や、消費を中心とする指標が全体としては想定以上に強いと評価した。 このうち消費の強さについては、労働市場の強さや実質賃金の増加、高水準の家計純資産を背景として指摘した。もっとも、数名(several)のメンバーが中・低所得者における金融面でのストレスが消費を抑制している可能性を指摘したほか、2名(a couple of)のメンバーは消費者信用や自動車ローンの延滞増加に言及した。 一方、企業活動については、数名(several)のメンバーが、供給面の要因の改善(労働供給、設備投資、生産性)が拡大を支えていると評価したほか、多数(a majority)が、株式市場は投資家の前向きなセンチメントを反映していると指摘した。さらに、地区連銀総裁からは、企業が新政権の規制緩和や減税に期待しているとの報告もあった。