担任の不在時に「ベテラン先生」派遣 体調不良や忌引に対応 学習の遅れを回避、現場の負担軽減も 辰野町教委
長野県辰野町教育委員会は本年度、小学校の学級担任が体調不良や忌引で不在になる場合に、町教委から代替の職員を派遣する事業を始めた。長年小学校教諭を務めたベテランで学校支援主事の林武司さん(64)が、担任に代わって国語や算数といった科目を教える。自習が続くことで学習が停滞する弊害を避ける狙いで、町教委などによると県内では珍しい試みとみられる。 【画像】長野県辰野町はここ
町教委によると、通常は同じ学校内で手の空いた教員や教頭らがカバーしてきたが、人手が足りず1日数時間の自習を余儀なくされる場合もある。過去に学級担任が体調不良で3週間ほど出勤できなかった事例もあり、学習の遅れへの懸念や現場の負担軽減の面から対策を考えていた。
町教委は学校の依頼を受けて林さんを派遣。林さんは日頃、町内の小中学校教員や児童・生徒、保護者の相談に応じるなどの支援を担当しており、スケジュールに余裕があるか、抱えている業務を他の職員に代わってもらえる場合に依頼に応じるという。
辰野東小2年2組の担任が22日から4日間不在となるのに対応し、町教委は林さんを派遣。24日は午前中の授業を受け持ち、算数の時間には引き算を教えた。児童の一人は「教わって3日目なので慣れてきた。困っていても助けてくれるので楽しい」。同校の片桐広文校長は「子どもの安心安全のためにも、信頼できる先生を派遣していただくのはありがたい」と話した。