<第3次安倍内閣>「第○次内閣」と「改造内閣」の違いは? 早稲田塾講師・坂東太郎のよくわかる時事用語
◎改造内閣にまつわるエピソード 総選挙に勝利して第二次内閣を作った池田勇人首相は次の総選挙まで約3年で3度改造、通算4回の組閣をしています。当時の自民党は派閥全盛で、最初の内閣で入閣しなかった領袖を1次改造で多く取り込みました。河野一郎、佐藤栄作、藤山愛一郎、三木武夫といった面々です。 参議院議員選挙に勝利して自民党総裁選も突破した後の第二次改造は池田派のホープ大平正芳を官房長官から外務大臣に登用。佐藤派の田中角栄も大蔵大臣(現在の財務大臣)の要職につけました。池田派の知恵袋の宮沢喜一も経済企画庁長官に起用するなど若手を引き上げて体力強化に努めました。そして約1年後の第三次改造は4か月後に行われた解散・総選挙シフトを敷きます。結果は翌年に東京五輪が開かれるなど明るいムードに包まれて自民快勝。第三次池田内閣が誕生します。メンバーは全員第三次改造から再任。とても珍しいケースです。(一部敬称略)
--------------------------------------------------- ■坂東太郎(ばんどう・たろう) 毎日新聞記者などを経て現在、早稲田塾論文科講師、日本ニュース時事能力検定協会監事、十文字学園女子大学非常勤講師を務める。著書に『マスコミの秘密』『時事問題の裏技』『ニュースの歴史学』など。【早稲田塾公式サイト】