高畑充希が「配偶者だけが自分が選べる家族」という言葉に感じること
「え？ 会話を聞かれてた？」と思うほどリアルな女子会トーク
── 本作では一子の女友達との関わりも描かれています。リアルすぎる女子会トークが印象的でした。 高畑:私自身も一子と同世代だし、女子会では恋愛や結婚、妊活の話が出てくることもあります。なので、劇中のセリフには「え、まさか私たちの会話を聞かれていた!?」と思うものが多くでてきましたね(笑)。 妊活や不倫ってかなりセンシティブで、ともすると深刻になる話題じゃないですか。けどそういった話題も、女子会ではみんなが絶妙なバランスで、どこかおもしろがってしゃべっているところがありますよね。 いい意味で女性はドライで現実主義的なところがある。このドラマの女子会シーンも、そういったリアルなやり取りや温度感まで再現されていているなと思いながら演じていました。
「好き！」よりも「いかに話し合えるか」
── 数々の局面を経て、最後には一子と二也がとある決断を下します。 高畑:ふたりが下した決断は、万人が共感できるとはいい難いかもしれません。けれど、私としては一子を演じて、この結末にすごく納得しているし、感情的にも筋が通った気がしました。 私のまわりにも離婚した途端、すごく仲良くなっている人もいるし、たとえ派手に言い合いをしても、「“家族”なんだから、これくらいのケンカじゃダメにならないぞ」と、次の日には仲直りするカップルもいて。不思議ですよね、人って。 ── 「夫婦」「家族」という枠があるからこそ、苦しく感じることも、救われることもありますよね。改めて、「いい夫婦」とはどんな関係性だと思いますか？ 高畑:一子と二也って、とにかくたくさん話し合うんですよね。そもそも話し合うってエネルギーを使うし、ときに「なあなあ」にしておいたほうがラクなことも多いはず。なのに、ふたりはめげないんです。 もちろん、それで事態がより複雑になってしまうこともありますが(苦笑)、話し合うってなにより「相手に興味がある」という証。そうやって相手と向き合った末に、これまで自分が感じたことのない感情にたくさん出合える……そんな関係ってすごく「いい夫婦」だなと思います。 若い頃の恋愛って「好き！」という感情だけで突っ走れるけど、年齢を重ねてくると、いざ問題が起きたとき、いかにお互いが歩み寄って話し合えるかといった“人間性”が問われてくるように思うんです。そんな自分の心境の変化も、今回演じさせていただいた一子という役柄にフィットした気がします。 一子と二也のストーリーが、みなさんにとって「夫婦とはなにか」「ふたりでいること」を考える、ひとつのきっかけになったらとても嬉しいですね。
アケミン（ライター）
